Project/Area Number |
06F06340
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 外国 |
Research Field |
Physical chemistry
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
青木 百合子 Kyushu University, 大学院・総合理工学研究院, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
CHEN Wei 九州大学, 大学院・総合理工学研究院, 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2006 – 2008
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2008)
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Budget Amount *help |
¥3,000,000 (Direct Cost: ¥3,000,000)
Fiscal Year 2008: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2007: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Keywords | Elongation法 / 非経験的分子軌道計算 / 電荷移動高分子 / NLO特性 / ポリジアセチレン / ラダー高分子 |
Research Abstract |
ランダム高分子の効率的高精度計算のためのElongation法によって、非線形光学特性を分子軌道論に基づく量子化学的な手法で、ポリアセチレンとその誘導体、ポリジアセチレンとその末端や側鎖におけるドナーおよびアクセプター置換体の誘導体など種々の大規模系に適用を行った。そのために、Elongation法にFinite-Field法を組み込んだElongation-Finite Field(ELG-FF)法により、ポリジアセチレン(PDA)と2種類の側鎖をもつPDA誘導体の非線形光学(NLO)特性を計算した。側鎖として-NH2を側鎖にもつ部分のユニット数(n)と-NO2を側鎖にもつユニット(m)においてn=m=1およびn=m=2の場合に対して計算し、従来のGAMESSと10^<-8>Hartree/atomのオーダーで全エネルギーが一致することを確かめた。次に、Finite-Field法による(超)分極率α、β、γにおいてGAMESS-Elongation法と従来のGAMESSで比較したところ、電場に対する高次の微分であるにも関わらず良好な一致をみた。次に、PDA2本鎖によるラダー高分子に対しても同様の計算を行った。Gaussian 03による周期境界条件を用いたPBC計算により構造最適化を行い中心部の構造をそのままElongation法による高分子鎖の計算のための構造とした。エネルギーにおける誤差は、7個のユニットを出発クラスターとして伸長した場合、〜10^<-8>Hartree/atomとほぼ完壁であることを確認した。さらに、PDAの側鎖としてドナーとアクセプターの側鎖が交互に向き合った電荷移動型高分子2本鎖についてもGAMESS-Elongation法によって計算し、ドナー側鎖とアクセプター側鎖の間の電荷移動量とNLO特性の関連を調べた。 一方、巨大π共役系への展開としてBとNが混入したカーボンナノチューブに対してElongation法を用いて電子状態を計算し、混入のパターンとの関係においていくつか興味深い結果を得て論文公表を行った。エネルギーにおける誤差は〜10^<-8>Hartree/atomで与えられることを確認した。ただし問題は、全てカーボン原子からなるときは全系に対する従来法による計算との誤差が少し大きくなることが判明したが、本研究期間内では解決には至らなかった。本方法では複数の結合を境として領域軌道を作成しているので、全てカーボン原子からなる非局在化した系においては、結合部の電子をFrozen側に含めるか、Active側に含めるかが局在化のQualityに影響を与えることがわかった。
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