Budget Amount *help |
¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
Fiscal Year 2008: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2007: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2006: ¥400,000 (Direct Cost: ¥400,000)
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Research Abstract |
本研究では,メタマテリアルを用いた高利得の平面アンテナの広帯域化を図り,高利得でかつ広帯域な低姿勢平面アンテナを実現することを最終目的として,本年度は,電波の散乱方向が制御できる薄型反射アレーの開発を目指した. 本年度の研究では,電波の散乱方向制御が可能でかつ周波数選択機能を有する新たな反射アレーとして,クロスダイポール・ループアレーを提案した.提案した反射アレーの構造は,水平・垂直両偏波に対応できるクロスダイポールを素子としている.また,通常の金属地板の代わりに周波数選択機能をもつループアレーを地板とすることにより,特定の周波数の電波を所望方向に散乱させ,それ以外の周波数の電波は透過させることができる.この反射アレーをビルの屋上などに置くことにより,高層ビルの影などのような基地局からの電波が届きにくいところに電波を散乱させ,不感地帯を解消することが期待できる.また,散乱アレーの設計法を確立するために,周期的に配列したダイポール素子を用いた反射アレーついて検討し,周波数帯域,反射効率,及びビーム方向の制御範囲を定量的に求めている.さらに,散乱ダイポール素子の近傍に寄生素子を配置することにより,散乱特性の周波数設計範囲を広げることに成功した.最後に,試作と実験を行い,散乱アレーの特性を確認し,本手法の妥当性を示した. この研究成果の一部は国際シンポジウム2008 International Symposium on Antennas and Propagation,ISAP 2008)において発表し,「Best Paper Award」を受賞した.今後,アクティブ回路の導入や,多層化構造の試みを行い,高機能な散乱アレーの実用化の研究を進めようとする.
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