自己免疫病における制御性T細胞の役割とそれを用いた治療に関する研究
Project/Area Number |
06F06462
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 外国 |
Research Field |
Immunology
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
坂口 志文 Kyoto University, 再生医科学研究所, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
MIYARA Makoto 京都大学, 再生医科学研究所, 外国人特別研究員
MIYARA MAKOTO 京都大学, 再生医科学研究所, 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2006 – 2007
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2007)
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Budget Amount *help |
¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
Fiscal Year 2007: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Keywords | FOXP3 / 制御性T細胞 / 自己免疫病 / Tリンパ球 |
Research Abstract |
転写因子FOXP3を発現するCD25+CD4+制御性T細胞(以下、制御性T細胞)は、自己抗原、外来抗原に対する免疫寛容を誘導し、自己免疫病、炎症性疾患の発症を抑制するTリンパ球である。本研究では、ヒトの制御性T細胞を、細胞表現型と抑制機能によってサブポピュレーションに分け、それぞれの分化動態と機能について解析した。その結果、FOXP3、細胞表面分子CD25、CD45RAの発現程度によって、FOXP3発現CD4+T細胞を3群に分別できることを示した。その内、ナイーブ制御T細胞とエフェクター制御性T細胞は、FOXP3、CD25、CD45RAいずれの発現程度も異なり、どちらも試験管内で抑制活性を示した。一方。FOXP3を低発現するCD4+T細胞は抑制活性を示さず、様々な炎症性サイトカインを産生し、活性化あるいはメモリー様T細胞であった。エフェクター制御性T細胞はナイーブ制御性T細胞から分化し、活発な増殖能を示した後、アポトーシスによって死んでいく。この分化経路は、NoD.SCIDマウスにヒト末梢血を移入した実験でも確認でき、試験管内のみならず、個体レベルでも同様と考えられた。さらに、様々な病的状態における制御性T細胞サブポピュレーションの動態を解析した結果、細胞性免疫の異常が重要と考えられるサルコイドーシスではエフェクター制御性T細胞が増殖しており、活動期にあるSLEでは、ナイーブ制御性T細胞およびFOXP3低発現活性化/メモリー様T細胞の有意な増殖が見られた。以上の結果から、FOXP3を発現する制御性T細胞サブポピュレーションは生理的、病的状態において異なる動態をとると考えられる。この知見は、免疫疾患における制御性T細胞動態の解析に重要であるのみならず、制御性T細胞を標的とした免疫応答制御法を開発する上で有用である。
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Report
(2 results)
Research Products
(3 results)