Budget Amount *help |
¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
Fiscal Year 2008: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2007: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2006: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
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Research Abstract |
ウミユリの形態には様々な変異があり,特に茎形態は分類形質として使われることが多い.しかしその成長速度に関しては,ウミユリ類が深海に生息することが多いため,未解明の部分が多い.受入研究者(大路)は1990年に,酸素同位体を用いてMetacrinus属の茎の成長速度を見積もったが,信頼性の高いデータとは言い難いものであった.今回,この属と同じ科(ゴカクウミユリ科)に属する多くの種を用いて,その形態の詳細な観察と新たな手法を用いて成長速度を求め,このグループの形態変異との関係や系統,種分化との関連を探ることを目的とした.形態からはそのゴカクウミユリ科の種の茎成長パターンに2種類(茎成長が早く海底に茎が横たわるタイプと茎成長が遅くて海底から保浦垂直に立つタイプ)が識別された. 現生Metacrins属は西太平洋に広く分布し,多くの種が知られている.そのうち,割合浅海に生息する,日本近海の種とオーストラリア近海の種を採集,あるいは博物館より入手し,その形態の観察,比較,多変量解析による形態的特徴を把握を行った.また確実性の高い茎の成長速度を求めるため,半減期の短い放射性元素を用いた成長速度の測定に向けて準備を進めている.この方法は当初より計画していたものであるが,共同研究者の都合により多少遅れを生じている.今後も継続して進められる予定である. 比較研究として,Metacrinus属が含まれるゴカクウミユリ科のウミユリ類の系統進化を探るため,日本各地のジュラ紀から白亜紀のウミユリ類化石記録の検討と未記載化石の記載を行った.これらの新たな記録により,特に東アジアにおけるウミユリ類の古生物地理や古生態に関する新たな知見がもたらされた.これらは幾つかの論文としてすでに発表し,また発表を準備中である.
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