知覚心理学,言語学の両面から見た「聴覚の文法」の研究
Project/Area Number | 06F06800 |
Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 外国 |
Research Field |
Experimental psychology
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Research Institution | Kyushu University |
Host Researcher |
中島 祥好 Kyushu University, 大学院・芸術工学研究院, 教授
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Foreign Research Fellow |
PEREZ E.V. 九州大学, 大学院・芸術工学研究院, 外国人特別研究員
PEREZ E. V.
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Project Period (FY) |
2006 – 2008
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Project Status |
Completed(Fiscal Year 2007)
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Budget Amount *help |
¥600,000 (Direct Cost : ¥600,000)
Fiscal Year 2007 : ¥600,000 (Direct Cost : ¥600,000)
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Keywords | 聴覚の文法 / 時間知覚 |
Research Abstract |
音声知覚の仕組みを聴覚心理学の立場から解明するために、音韻の結合に現れる文法的な規則にどのような知覚的な基盤があるかを、過去の研究と新たな実験とに基づいて考察した。単純な音刺激パターンの知覚に関して、「音の始まり」、「音の終わり」、「継続部」、「空白部」という4種類の音要素が、簡単な文法によって線形に結びつくとの、これまでの仮説を発展させ、検出された音要素を単純に結びつけるだけでは文法上の破綻が生ずるときには、知覚上の補完、再構成によって破綻を最小限に抑えるとの考えかたをおし進めた。この研究の過程において、調波複合音の成分のうち一つが、他の成分より早く終わるような刺激パターンを作り、隣接する二つの音が知覚されることを見いだした。この現象の生ずる仕組みを解明するには至っていないが、後続する音の主観的な時間長を求めたところ、上述の成分が途切れるより少し前の時点に対応する形で、物理的には存在しない「音の始まり」が補完されたのではないかと推測するに至った。現在、このことを確認するために、知覚された音の主観的な時間長を体系的に求めるような実験を計画している。音声知覚、音声産出に関して、種々の文法的な制約条件が現実にどのように働くかを理解するために提出された「最適性理論」を、言語に直接関係のない聴覚現象に適用するために、理論の枠組みを構築した。全体として、音声知覚に特有のものであるように見える現象であっても、聴覚の基本的な仕組みによって理解することのできる場合があることが示された。
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Report
(1results)
Research Products
(2results)