古代エジプトの土器製作における技術連鎖の再構築:シェーンオペラトワール的研究
Project/Area Number |
06J00342
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Archaeology
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
馬場 匡浩 Waseda University, 理工学術院, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2006 – 2008
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2008)
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Budget Amount *help |
¥3,400,000 (Direct Cost: ¥3,400,000)
Fiscal Year 2008: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2007: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Keywords | 古代エジプト / 先王朝時代 / ヒエラコンポリス遺跡 / 土器焼成遺構 / 土器焼成技術 / パイロテクノロジー / 胎土分析 / 土器製作技術 / 実験考古学 / シェーンオペラトワール |
Research Abstract |
本研究は、古代エジプトの土器製作技術の解明を主眼に据えたものであり、その研究資料の主軸となるヒエラコンポリス遺跡の発掘調査を、平成21年1月から2月にかけて実施した。最終年度となる今期は、発掘区を西と北に3m拡張して対象区域の調査の完了を目指した。西区では、加熱施設(オーブン)が新たに1基検出された。これまでに発見されたオーブンに比べて規模は小さいものの、保存状態は極めて良好である。さらにその西側では、新たな壁体が検出された。北区では、昨年検出された壁体の規模が確定された。今期の調査により遺跡の全貌が明らかとなり、土器焼成遺構および加熱施設群が壁体に擁護される構造であることが確定された。なお、昨年度に実施した完形土器の器表面観察結果の分析を進めた。黒斑等の痕跡から復原される焼成方法は、土器を横倒して環状に並べ、少なくとも3段に積み重ねて焼成するといった方法であった。さらに、火回りを良くするため、土器片と粘土で全体を覆ういわゆる「覆い型野焼き」であることも推察された。土器片と粘土を建材的に用いる技術は、オーブンの構造にもみられ、同じパイロテクノロジーが土器焼成にも用いられていたと考えられる。 平成19年からのイギリス・カーディフ大学の客員研究員を終え、20年9月に帰国した。大英博物館所蔵土器の胎土分析が目的であったが、岩石学的および理化学的分析により、土器製作工程のうち粘土採取、素地づくり、焼成温度・方法について理解を深め、技術連鎖の再構築に向けたデータを得ることができた。
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Report
(3 results)
Research Products
(12 results)