Budget Amount *help |
¥2,800,000 (Direct Cost: ¥2,800,000)
Fiscal Year 2008: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2007: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Research Abstract |
本研究はコンピュータシミュレーションのみでは解明困難な人間の発話運動について,物理モデルとしての人間形発話ロボットを構築することによりその解明への糸口を見つけることを目的としている.われわれは声帯・口蓋・舌・口唇・鼻腔など発声に関わる諸器官を弾性体を用いて3次元モデルで構築し,音声生成の再現に取り組んでいる. 既存の人間形発話ロボットWT-7Rは,子音の生成が難しかった.そこで,全19自由度を有する新型発話ロボットWT-7RII(Waseda Talker No.7 Refined II)の製作を行なった.WT-7Rの口唇部は開口面積の再現に主眼を置き,平板の弾性体の開口部の4隅に引っ掛けられた部材によって制御されていた.これは,母音生成には十分であったものの,子音生成に不可欠な完全閉鎖ができず,また,人間の器官を模擬するという目的から見ても,人間と大きく機構が異なっており,改良が必要であった.そこで,弾性体によって人間の口唇の形状を立体的に再現し,口唇周りに万力状に挟み込むことで押し引きが可能な駆動点を5点設けることにより,開口面積の再現とともに,人間に近い完全閉鎖や突き出しなどを再現した.この機構を用いて口唇破裂音/p/を生成した. 声帯機構においては,これまでの研究により,人間の声帯形状・振動様式を再現したヒダ型モデルを構築し,気息性発話やフライ発声などの再現に取り組んできたが,さらに人間の生理現象による発話時の声帯動作の解明を目的とし,笑い声の再現に取り組んだ.笑い声の再現のために,人間の通常発話時と笑い声の発話時のデータの比較から,笑い始めにおける強い空気流,高い基本周波数,周期的な発声が笑い声の特徴とみられるため,計測データより,ロボットの制御ルールを構築し,その制御ルールによる発声を行った.
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