Research Project
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
「繊毛虫における有性生殖開始の分子メカニズムの解明」および「繊毛虫の有性生殖の多様性」を探ることを目的として、二種類の接合型と接合誘導物質(ガモン)から成る接合システムをもつブレファリズマを用いて以下の研究を行った。ブレファリズマにおいて接合誘導のキーファクターであるガモン1の作用機構を明らかにするため、II型細胞が細胞表面に有すると考えられるガモン1受容体の局在解析および単離同定を試みた。ガモン1で処理したII型細胞を固定し、本研究課題において作製したガモン1抗体を用いて蛍光抗体法を行った。その結果、ガモン1で処理したII型細胞において、口部膜板帯と繊毛および繊毛列に強いシグナルが検出された。また、ガモン1受容体を同定するため、接合能をもつII型細胞から膜分画を調製しガモン1と相互作用させた後、ガモン1抗体を用いて共免疫沈降法を行った。その結果、ガモン1と同じ挙動を示し、ガモン1と相互作用している可能性の高い幾つかのタンパク質を検出した。繊毛虫の交配フェロモンの受容体に関する研究は非常に乏しく、本研究成果は繊毛虫の有性生殖の分子メカニズムを解明する上で貴重な知見となり得る。同定されている繊毛虫の交配フェロモンの中で唯一の糖タンパク質であるガモン1の糖鎖の役割を解析するため、大腸菌を用いた組換えガモン1のタンパク質発現系の構築などを行い、糖鎖をもたないガモン1を作製し接合誘導活性を調べた。その結果、糖鎖をもたないガモン1はほとんど活性を示さず、ガモン1の糖鎖は接合誘導活性を引き出すのに重要な役割をもつと考えられた。接合誘導時に特異的に働く遺伝子(ガモンを含む接合関連遺伝子)の機能解析を行うため、feeding RNAi法による標的遺伝子の発現抑制を試みた。接合型特異的な転写制御機構の解明を目指し、接合型特異的な発現を示す幾つかの遺伝子について上流下流配列を単離した。
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Jpn. J. Protozool. 40(2)
Pages: 131-138
Bioorganic & Medicinal Chemistry 15
Pages: 1622-1627
Jpn.J.Protozool. 40
Pages: 66-68
原生動物学雑誌 印刷中
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