植物におけるMutT/nudixタンパク質ファミリーの分子特性と環境ストレス耐性
Project/Area Number |
06J01015
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
植物生理・分子
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Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
小川 貴央 Kinki University, 農学部, 特別研究員PD
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Project Period (FY) |
2007 – 2008
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2007)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 2007: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | Nudix hydrolase / ADP-ribose / NAD(H) / PARP / PARG / シロイヌナズナ / 酸化ストレス / NADH / ポリ(ADP-リボシル)化 / 酸化的DNA損傷 / 8-oxo-(d)GTP |
Research Abstract |
シロイヌナズナにはADP-ribose/NAD(P)Hを基質とするNudix hydrolaseが複数存在(AtNUDX2,6,7,10,14,19)した。そこで、Nudix hydrolaseアイソザイムによるADP-ribose/NADH代謝への関与について検討した。興味深いことに、AtNUDX2,7の過剰発現株により、パラコートによる酸化ストレス耐性能が向上した。CE-ESI-MS/MSによる解析の結果、コントロールと比較して、AtNUDX2過剰発現株では通常および酸化ストレス条件下におけるADP-ribose量が減少していた。また、酸化ストレス下において、種々の細胞応答の制御に機能するポリ(ADP-リボシル)化サイクルに関連するPARPおよびPARGの発現誘導が認められた。さらに、AtNUDX2過剰発現株では酸化ストレス条件下におけるNAD+およびATP量の減少が野生株よりも抑制されていた。以上より、AtNUDX2はポリ(ADP-リボシル)化サイクルから生成する遊離ADP-リボースのリサイクルにより、細胞内エネルギー状態を維持することで酸化ストレス耐性に寄与していることが示唆された。 一方、シロイヌナズナにおいて酸化ヌクレオチドである8-oxo-dGTP分解活性を有するNudix hydrolaseは、細胞質局在型のAtNUDX1のみであることが明らかになった。そこで、AtNUDX1がDNAおよびRNAの酸化損傷に対する防御機構に果たす役割について解析した。AtNUDX1は大腸菌mutT欠損株における8-oxo-GTPによるmRNAへの転写エラー発生頻度をも抑制した。また、シロイヌナズナnudix1破壊株では、野生株と比較してゲノム中の8-oxo-グアニン量が通常条件下で約1.5倍に、パラコートによる酸化ストレス条件下で約2倍に増加していた。これらのことから、AtNUDX1[8-oxo-(d)GTP pyrophosphatase]は細胞質のヌクレオチドプールを浄化することで、酸化ヌクレオチドの核ゲノムへの取り込みを防いでいることが示された。
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Report
(2 results)
Research Products
(15 results)