マダニの中腸・唾液腺由来の抗原虫物質に関する分子生物学的研究
Project/Area Number |
06J01138
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Basic veterinary science/Basic zootechnical science
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Research Institution | Kagoshima University (2008) Gifu University (2006-2007) |
Principal Investigator |
白藤 梨可 (梅宮 梨可) Kagoshima University, 農学部, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2006 – 2008
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2008)
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Budget Amount *help |
¥2,800,000 (Direct Cost: ¥2,800,000)
Fiscal Year 2008: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2007: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | マダニ / フタトゲチマダニ / 中腸 / 分子生物学 / オートファジー / オートファジー関連遺伝子 / オートファゴソーム / 抗原虫物質 / 唾液腺 / マクロファージ遊走阻止因子 / 血管新生 |
Research Abstract |
今年度は、昨年度に引き続き、フタトゲチマダニHaemaphysalis longicornisのcDNAライブラリーからオートファジー関連(ATG)遺伝子に相同な新規3遺伝子を単離することに成功した(HlATG3、HlATG4、HlATG8)。これらはいずれも、栄養飢餓誘導性の細胞質内タンパク質分解機構「オートファジー」の最も重要な過程であるオートファゴソーム形成に必須なATG遺伝子と非常に高い相同性を示した。これらの遺伝子発現をリアルタイムPCRにより解析したところ、HlATG3の発現は若ダニ期でのみ吸血時(富栄養条件下)において減少し、HlATG4は幼・若ダニ期の吸血時に発現が減少した。一方、HlATG8の発現はすべての活動性発育期(幼・若・成ダニ期)において吸血時に減少した。また、未吸血時の中腸細胞内におけるHlAtgタンパク質の局在をウエスタンブロット法で調べたところ、HlAtg3は細胞質、HlAtg8は細胞骨格画分に検出された。さらに、未吸血期の中腸細胞質内には、吸血時に比べて糖質と脂質が多く、それらが栄養分として貯蔵されているものと考えられ、未吸血マダニの中腸は栄養貯蔵器官であることが確認された。電子顕微鏡により、未吸血マダニの中腸細胞質内には隔離膜、オートファゴソーム、オートリソソーム様の膜構造体が存在することも明らかになった。これらのことから、未吸血・飢餓条件下にある中腸細胞質内においてオートファジーによるタンパク質分解機構が機能していることが示された。また、これまでに単離したHlATG遺伝子群のmRNA発現量は、非感染マダニに比してバベシア原虫感染マダニにおいて増大するというデータも得られており、病原体感染時におけるオートファジーとマダニHlATG遺伝子・HlAtgタンパク質との関わりが強く示唆された。
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Report
(3 results)
Research Products
(11 results)