Budget Amount *help |
¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
Fiscal Year 2007: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Research Abstract |
熱放散反応に大きく影響する圧受容器反射に関して,体温,循環および呼吸などの調節中枢である延髄の弧束核(NTS)内でのメカニズムを解明するため,ラットにおいてNTS A_1アデノシン受容器を刺激した際の圧受容器機能を調べた.その結果,NTS A_1アデノシン受容器の刺激により,圧受容器反射に対する腎,副腎および腰部交感神経の反応が抑制され,その抑制の程度は神経によって異なることを示した. また昨年度,女性の熱放散反応の老化特性に関する基礎的な知見を得るため,女性高齢者と若年成人に下肢温浴テストを負荷し,安静時における女性の熱放散反応の老化特性およびその性差を検討した結果,男性と同様に,女性においても老化に伴い発汗および皮膚血管拡張反応は低下し,その低下は発汗反応より皮膚血管拡張反応で先行し,かつ,下肢部から始まり,体幹後面,上肢,頭部へと拡大することが示された.また,発汗反応の老化の程度は,女性が男性より小さいことが示唆された.そこで,アセチルコリン(Ach)で誘発した軸索反射性および直接刺激性発汗反応から汗腺機能の老化過程のメカニズムとその性差について検討した.その結果,加齢に伴い男女ともアセチルコリンで誘発された直接刺激性発汗反応(汗腺自体の要素をより反映する)は減弱し,逆に軸索反射性発汗反応(交感神経節後線維の要素をより反映する)は亢進することが示唆された.これらの加齢的変化は,直接刺激性発汗では大腿で,軸索反射性発汗では前腕でより顕著だった.軸索反射性および直接刺激性発汗は高齢者および若年成人ともに女性が男性より劣っていることが示唆された.
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