Research Project
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
平成20年度は、昨年度から開始した非直線分子に対する分子座標系光電子角度分布(MF-PAD)測定と希ガスクラスターの内殻イオン化ダイナミクスの研究を引き続き推進した。昨年度に初めて成功したH_2OのMF-PADの観測を受け、同様に屈曲型分子である二酸化窒素(NO_2)を対象とした本格的な測定を行った。NO_2は内殻吸収スペクトルに形状共鳴バンドが観測されるなど、H_2Oとは全く異なった観点から光イオン化ダイナミクスの理解が得られると期待される。実際に、予備的な解析結果からは、形状共鳴バンド近傍のエネルギー領域においてはH_2Oと大きく異なったMF-PADを得ている。一方で、H_2Oの内殻光イオン化ダイナミクスの光電子回折による理解を深化させるべく、より高い光電子エネルギー(〜150eV)に対するMF-PADの測定を行い、データ解析を進め、所外の理論計算グループとの共同研究を開始した。並行して、希ガスクラスターの内殻イオン化ダイナミクスの研究を推進した。本年度は、多重同時計測運動量画像分光法による希ガスダイマー(Ne_2,Xe_2)の内殻吸収スペクトルの測定を試みた。さらに、初年度より計画していた4d巨大共鳴付近でのXe_2のMF-PAD測定を本格的に開始するため、光電子および低速Auger電子のマルチヒットに伴う検出器のデットタイムをほぼ無くすように六角形ディレーライン型二次元検出器を導入(検出器取り付けキットFT16-TP)し、いくつかのテスト測定を行いながら、解析プログラムの改良を行った。これにより、複数の低速電子を放出するイオン化過程に対しても、高精度なMF-PADの測定が可能となることが期待される。
All 2009 2008 2007 2006
All Journal Article (11 results) (of which Peer Reviewed: 7 results) Presentation (12 results)
Journal of Physics B : Atomic, Molecular and Optical Physics 42
Physical Review Letters 101
Journal of Physics B: Atomic, Molecular and Optical Physics 40
Pages: 4033-4046
Journal of Physics: Conference Series 88
Physical Review A 75巻・3号
Journal of Physics B : Atomic, Molecular and Optical Physics 40巻・1号
Pages: 29-47
Chemical Physics Letters 426巻・1-3号
Pages: 43-48
The Journal of Physical Chemistry A 110巻・22号
Pages: 7097-7104