レギュカルチン遺伝子導入腎近位尿細管細胞培養系における機能発現と細胞分子機構
Project/Area Number |
06J02092
|
Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Functional biochemistry
|
Research Institution | University of Shizuoka |
Principal Investigator |
中川 妙子 静岡県立大学, 大学院 生活健康科学研究科, 特別研究員(DC2)
|
Project Period (FY) |
2006 – 2007
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2006)
|
Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
|
Keywords | 蛋白質 / 遺伝子 / 細胞内情報伝達系 |
Research Abstract |
レギュカルチンの細胞機能調節における役割を解明するために、腎近位尿細管上皮細胞NRK52E培養系を用いて、そのレギュカルチン遺伝子導入細胞を作出し、その細胞機能発現について解析した。その結果、以下の知見が得られた。レギュカルチンの発現増加はTNF-α、LPS及び細胞内Ca^<2+>動態異常をもたらすBay K 8644、タプシガーギンによる細胞死(アポトーシス)を抑制した。レギュカルチンはカスパーゼ-3及びNO合成酵素活性とアポトーシス誘導抑制遺伝子Bcl-2及びAkt-1発現に作用して、腎細胞のアポトーシスを抑制することが見出された。 レギュカルチン発現増加はTGF-β1のアポトーシス誘導を抑制することを見出した。この抑制はカスパーゼ-3に作用した。さらに、TGF-β1によるα-平滑筋アクチンの発現は、レギュカルチンを発現増加したNRK52E細胞において減少した。また、TGF-β1による転写因子Smad 2 mRNAの発現増加はレギュカルチン発現増加細胞で抑制されることを見出した。 また、NRK52E細胞のレギュカルチンmRNA発現は副甲状腺ホルモン及びアルドステロンによって増進される。そこで、これらホルモン刺激により誘導されるイオン輸送チャネル発現について解析した結果、レギュカルチン発現増加したNRK52E細胞のL-type Ca^<2+> channel及びCaR mRNA発現は野生型と比較して有意に減少し、アルドステロン刺激によって増加するNa, K-ATPase、ENaC、ROMKのmRNA発現を抑制した。これより、レギュカルチンはNRK52E細胞におけるホルモン調節を受ける細胞内イオン輸送の制御に役割を果すことが明らかになった。 さらに、レギュカルチンの細胞核への移行性について細胞免疫染色法で調べたところ、レギュカルチンを発現増加すると核に移行し、その移行は、細胞内情報伝達系に関与するプロテインキナーゼCにより高められることを明らかにした。この知見から、レギュカルチンは転写調節に関与することが示唆された。
|
Report
(1 results)
Research Products
(2 results)