Research Project
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
20年度は鳥類一般における頭部筋骨格形態の多様化機構を探るため、実験発生学的および分子発生学的解析を行い、その成果を論文にまとめた。Tokita&Schneider(in review)は摂食様式の違いから形態が大きく異なる顎筋を持つ2種の鳥類、ウズラ(Coturnix japonica)とアヒル(Anas platyrhynchos)を実験材料に用い、胚期に頭部神経堤細胞を2種間で交換移植することでキメラ胚を作製し、その形態学的・分子発生学的解析から頭部神経堤細胞は動物種特異的な発生プログラムに従い頭部の結合組織に分化し、それは組織間相互作用をとおして頭部中胚葉に由来する顎筋の種特異的な空間パターンまでも制御することを明らかにした。また、他の鳥類系統では見られない篩骨下顎筋および擬咬筋と呼ばれる顎筋をもつオカメインコ(Nymphicus hollandicus)をドナーとして、ホストであるウズラとのキメラ胚も作成した。キメラ胚の外部形態を観察したところ、顔面形態に著しい変化が確認された。今後は、顎筋形態ひいては頭部筋骨格系の大規模な変化をもたらす分子基盤を明らかにするために、オカメインコ-ウズラ異種間キメラ胚の作成をさらに進めるとともに、ドナーとなるオカメインコの細胞を特異的に認識する抗体の作成やin situハイブリダイゼーション法による正常胚およびキメラ胚での遺伝子発現パターンの比較なども行っていく予定である。
All 2009 2008 2007
All Journal Article (3 results) (of which Peer Reviewed: 3 results) Presentation (4 results) Book (1 results)
哺乳類科学 49(印刷中)
10030471328
科学 78
Pages: 937-938
Evolution & Development 9
Pages: 590-601