DNAマーカーを用いた野生ワオキツネザルの繁殖戦略の研究
Project/Area Number |
06J02271
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Anthropology
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
市野 進一郎 Kyoto University, 大学院・理学研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2006 – 2008
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2008)
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Budget Amount *help |
¥3,400,000 (Direct Cost: ¥3,400,000)
Fiscal Year 2008: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2007: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Keywords | ワオキツネザル / 霊長類 / 繁殖戦略 / 父子判定 / マイクロサテライト / マダガスカル |
Research Abstract |
本研究は、マダガスカルに生息する昼行性原猿であるワオキツネザルの繁殖戦略を明らかにすることを目的とする。調査対象は、マダガスカル共和国ベレンティ保護区内に設定さ14.22haの主調査地域に生息するワオキツネザルで、現在は7つの群れが生息している。これうの個体は1989年以降、識別が継続されており、血縁関係、年齢、優劣関係、出自群、群れにおける滞在年数などの詳細な個体情報が利用可能である。本年度はこれまでにおこなってきたマイクロサテライトマーカーを用いた父子判定の結果をまとめた。父子判定には、マーカーとして有効であることが明らかになった10座位のマイクロサテライトを用いた。父子判定の結果、優位なオスが2年間にわたって子供を残していないことが明らかになった。この結果は、ワオキツネザルのオスの繁殖成功は偏りが小さいことを示唆する。それから、本年度もワオキツネザルの授乳期(10月から11月)に野外調査をおこなった。その結果、調査個体群は過去2年間で個体数が大幅に減少したことが明らかになった。2008年の平均群れサイズは9.9頭で、1989年以降の20年間で最も小さなサイズだった。また、2007年生まれの個体の死亡率が非常に高く、約1年間で死亡率は80.8%(n=26)に達した。幼児死亡率には群れによる変異があり、2007年に交尾行動の観察をおこなったC2A群とT1B群で全個体が死亡した一方で、C1群では比較的多くの子供が生存した。本研究の結果は、ワオキツネザルの幼児死亡率の変動はこれまでに考えられていた以上に大きいことを示した。
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Report
(3 results)
Research Products
(6 results)