古典主義の運命とその政治的賭け金--フランス革命期から第三共和制まで
Project/Area Number |
06J02444
|
Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
ヨーロッパ語系文学
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
片岡 大右 Kyoto University, 人文科学研究所, 特別研究員(PD)
|
Project Period (FY) |
2006 – 2008
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2008)
|
Budget Amount *help |
¥3,400,000 (Direct Cost: ¥3,400,000)
Fiscal Year 2008: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2007: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
|
Keywords | シャトーブリアン / ギボン / モンテーニュ / 野生人 / 蛮人 / 隠遁者 / 古典主義 / ロマン主義 / 植民地主義 |
Research Abstract |
19世紀末の象徴主義運動から20世紀初頭の古典主義復興運動を経て1930年代に至るまでの文学状況を、当時の政治状況との絡み合いの中で把握する作業に取り組んだ。文学作品、批評、時事的文章を初めとする多様な文献を渉猟し、基本的な流れを再構成するとともに、注目に値する諸々のテクストの精緻な分析を心掛けながら。また前世紀末のフリードリヒ・ニーチェの仕事がフランスにおいて経験することとなった奇妙な運命にも注目した。公表された業績としては、第一に、日本フランス語フランス文学会秋季大会(於岩手大学)における学会発表「隠遁者、野生人、蛮人--シャトーブリアン『歴史研究』におけるギボンの活用」がある。本研究において重要な位置を占めるこのフランス作家は、19世紀的な文学的感受性の嚆矢とみなしうる。ここではその点が、上記三つの形象が彼の作品において果たす役割に即して論じられた。第二に、『人文学報』第98号に掲載の「「野生」の観念とその両義性--モンテーニュからシャトーブリアンまで」がある。こちらでは、同様の問題関心に立ちつつも、「野生人」あるいはその前提となる「野生的なもの」の観念それ自体に分析対象を絞りつつ、より広い歴史的パースペクティヴを獲得することが目指された。いずれの研究においても基底に横たわるのは、19世紀において勝ち誇ることとなる市民社会=文明に対する異質性の意識が、古典主義とロマン主義をめぐる議論の中でどのように表現されていたか、この点を究明しようとの意図にほかならない。
|
Report
(3 results)
Research Products
(3 results)