X線精密分光によるスターバースト銀河におけるX線光電離と粒子加速の検証
Project/Area Number |
06J02673
|
Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Astronomy
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
乾 達也 Kyoto University, 大学院・理学研究科, 特別研究員(DC2)
|
Project Period (FY) |
2006 – 2007
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2007)
|
Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 2007: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
|
Keywords | 天の川銀河 / 銀河中心 / 分子雲 / X線天文学 / 星間物質 / X反射星雲 / ブラックホール / 蛍光 / 天の川銀河中心 / X線反射星雲 / 光電離 / 時間変動 / 超新星残骸 / X線 / 天文学 |
Research Abstract |
Sgr B2領域は、銀河中心でも特に中性鉄輝線(6.40keV)で明るい巨大分子雲領域である。先行研究において、そのX線放射スペクトルおよび空間分布から、中性鉄輝線はX線による蛍光であり、そのX線源がSgr A*であるというX線反射星雲説が提唱された。一方で分子雲領域に付随するTeVガンマ線放射を示すような電子(陽子)による衝突電離説も完全には否定できなかった。 本研究ではX線天文衛星(ASCA,Chandra,XMM-Newton,Suzaku)による1994から2005年の計6回の観測データを用いて、Sgr B2領域全域における中性鉄輝線の強度変化を調べた。輝線強度の不定性に影響する3つの要因について考察した。一つが各衛星・検出器がもつ絶対感度の不定性である。この感度不定性を銀河中心拡散放射に起因する6.67keV輝線を用いて評価・校正した。銀河中心拡散放射は2度-1度に広がった放射であり、その強度は時間的に一定と考えてよい。しかし、実際の観測値は有意なばらつきを見せる。この分散は各衛星が公表する感度不定性(5〜13%)で説明できることを示し、また6.67keV輝線強度を一定値に補正する手法により、6.40keV輝線強度の絶対感度補正も行った。スペクトル解析に用いる連続成分モデルによる不定性、バックグラウンドの時間変動性による不定性についてもそれぞれ評価し、どちらも統計誤差5%以下であることを示した。以上の不定性を考慮しても、6.40keV輝線強度が有意に変動していることを明らかにした。 4つの長時間観測データを用いて輝線強度の空間的変化を調べ、大きな変動を示す二つの広がった放射源M0,66-0.02(Sgr B2 cloud)及びG0.570-0.018について、詳細な時間変動解析を行った。M0.66-0.02は2000年をピークとした10年スケールの変動を示し、2005年観測時はピークの60%まで減少していることがわかった。G0.570-0.018は発見当時、超新星残骸と考えられていた。しかし、本解析において、6.40keV輝線強度がM0.66-0.02とよく似た変動を検出し、X線反射星雲である証拠を得た。 以上内容を投稿論文として発表し、研究成果をまとめた。
|
Report
(2 results)
Research Products
(15 results)