Project/Area Number |
06J02691
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
土木材料・力学一般
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
石崎 章仁 Kyoto University, 大学院・理学研究科, 特別研究(DC2)
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Project Period (FY) |
2006 – 2007
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2007)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 2007: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 量子散逸系 / 量子ダイナミクス / 分子内振動 / 振動緩和 / 位相緩和 / 二次元分光法 / 非線形分光法 |
Research Abstract |
計算機性能の長足の進歩により、数個の原子しか含まない小さな分子に対しては、動力学を量子力学的に計算することが可能となった。しかしながら溶液や蛋白質環境など凝縮相中にある分子系では非常に多くの原子を取り扱わなければならず、全ての自由度を量子力学的に扱うことは事実上不可能である。そこで、現実に計算可能となるような様々な近似手法を導入して動力学を計算・議論することになる。平成19年度は、経路積分法に基づく非摂動的アプローチ(影響汎関数理論)を用いて、非Markov的な量子Master方程式の導出を行った。この非摂動論的方程式は、Markov近似を用いることで、系Sと熱環境の相互に関して2次の摂動論であるRedfield方程式に帰着する。したがって、Redfield方程式における系Sと熱環境との相互作用の強さに関する制限が取り除かれたことになる。Redfield方程式に高次の摂動項を加える等、相互作用の強さに関する制限を改善しようと多くの研究がなされてきたことを考えると、この理論は非常に重要なものである。しかし、このNN-QME理論は通常の密度演算子の非Markovな性質を適切に記述できるものの、非線形光学応答として観測されるべき記憶効果を再現できないという欠点があることも指摘した。一方、以前に申請者らによって提案されたQFP-LTC方程式はそのような記憶効果も記述可能である。このことを理論的に、そして多次元分光スペクトルの計算を通して明らかにした。更に、上記理論を多モードが結合した分子内振動の問題などに適用し、実験で得られた二次元赤外分光スペクトルの解析・説明を行った。 以上、申請時の研究計画は達成されたと考える。
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