Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 2007: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Research Abstract |
マメ科早生樹造林地土壌における植栽木による吸収と有機物の分解による供給のバランスが崩れることによって土壌の物質プール変動へ及ぼす影響を明らかにするために、1)土壌への堆積有機物分解に伴う物質還元動態、2)水の移動に伴う土壌内の物質移動、3)窒素の形態変化について伐採イベントを軸として調査・実験を行った。1)に関して、伐採前のアカシア植林地では,アカシアの結実周期に連動し、少雨期から多雨期への移行期にリター投入量が増加し,Nおよび養分塩基投入量が増加する季節変動を持つことが明らかとなった。一方,Ao層におけるリター堆積量は,年間を通じてあまり変化せず,NおよびMg,Ca蓄積量は,明瞭な季節変動を持たなかった。しかし,脱落直後に溶脱されるは、リター投入量と比例した明瞭な季節変動を示した。伐採に伴い,年間投入される葉リター量と同等な新鮮緑葉が林地へ投入された。2)に関して、伐採前のアカシア植林地では,養分元素フラックスは明瞭な季節変動を持ち、林内雨フラックスとの相関関係が認められた。しかし,無機態窒素およびKフラックスは,リター投入量の増加する少雨期から多雨期への移行期に増加する傾向が認められた。林地土壌へのN還元形態は,有機態Nであった。これはAo層において無機態Nの再有機化が進むためであると考えられた。温帯林および湿潤熱帯林の他研究事例に比べて,本調査地のアカシア植林地では,林地土壌への有機態N供給量が多いと推察された。また,Ao層通過水によるNおよびMg,Ca還元フラックスは,伐採イベント直後には,明瞭な変化が認められず,伐採後2回目の多雨期に顕著な上昇が認められた。一方,リターからの溶脱によりすばやく解放されるKは,伐採直後に顕著な還元量の増加を見せ,K還元量はその後すぐに伐採前と変わらなくなった。3)に関して,Ao層ならびに鉱質土壌表層の微生物バイオマスN濃度は,ともに伐採処理による変化は認められなかった。温帯林並びに湿潤熱帯林の他研究事例に比べて,本調査地における微生物バイオマスN濃度は,Ao層および鉱質土壌表層とも顕著に高く,N無機化速度も高かった。
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