エドムント・フッサールにおける前期・中期・後期「時間論」の統一的視点からの解明
Project/Area Number |
06J03005
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Philosophy/Ethics
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
江口 建 Kyoto University, 地球環境学堂, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2006 – 2007
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2007)
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Budget Amount *help |
¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2007: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 2006: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
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Keywords | フッサール / 現象学 / 時間 / 自我 / 原-自我 / 純粋自我 / 発生 / 時間化 / 時間論 / 『ベルナウ草稿』 / 『イデーンII』 / 生き生きした現在 |
Research Abstract |
研究遂行者は、20世紀ドイツにおける現象学者エドムント・フッサールの前期・中期・後期の時間論を、特に自我論との関わりで統一的に解明するために、主に「自我」と「時間」の関係を基軸に研究を遂行してきた。前年度に得られた「純粋自我の発生論」を巡る洞察を下敷きに、本年度は、フッサールの中期から後期にかけての「時間化」の議論に焦点を合わせ、自我と時間を巡る諸問題を一層深く掘り下げることを課題とした。まず、前年度から取り組んでいる主題である自我の発生についての思索を更に追究した。錯綜した自我の時間的発生の問題を改めて解きほぐし、その研究成果の一部が、現象学雑誌Interdisziplinare Phanomenologie第4号ならびに『フッサール研究』第6号に掲載された。第二に、上記の研究と並行して、自我が目覚める以前の「没自我性」ならびに「原受動性」の次元についての研究を深めた。自我なしの受動的な「流れること」の時間化、眠った自我としての「先-自我」を巡る問題を改めて取り上げ、それらが「純粋自我」や作動する「原-自我」、「現象学する自我」と事象的にいかなる関係にあるのかを究明した。第三に、時間性との関わりで自我の「同一性」の問題を再考した。《私》が同じ一人の《私》であるという信憑形成の仕組みと、その現象学的な根拠を、フッサールの想定する時間意識理論に基づいて批判的に検証した。その成果を、日本現象学会第29回大会にて口頭発表した。それとの関わりで、フッサールの「再想起」理論を改めて検討し、その成果を『人間存在論』第14号に執筆した。以上のような一連の研究成果を再構成し、それらを博士論文にまとめ、京都大学に提出、博士の学位を授与されたことを、ここに報告する。
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Report
(2 results)
Research Products
(10 results)