Budget Amount *help |
¥2,800,000 (Direct Cost: ¥2,800,000)
Fiscal Year 2008: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2007: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Research Abstract |
本研究では自動車のボディ用鋼板として多くの需要があるGA鋼板,および今後実用化が期待されているコーティング超伝導材料について,試料の力学試験および観察から得た結果とコーティング層の多重破断・はく離をモデル化した有限要素解析を組み合わせることで,コーティング材料全般に適用可能な力学的解析手法を構築し,破壊の予測法を考案するとともに最適な幾何学構造を設計・提案することを目的とする. 本年度はGA鋼板試料について,引張ひずみ負荷時にコーティング層が引張方向に連なって座屈・はく離する集団座屈・はく離現象の詳細な観察,解析を行い,1.基材鋼の平均結晶粒径と集団座屈・はく離した領域のサイズの違いから,集団座屈・はく離の要因をすべり系のずれに因る不均一変形ではないと判断し,2.まず一つのコーティング層が先行してはく離し,そのはく離が引張方向に隣接するコーティング層のはく離を誘発するという集団座屈・はく離プロセスを仮定した.この仮定を基に有限要素モデルを作成して解析を行い,3.界面の強度が弱いほどコーティング層のはく離距離,はく離面積ともに大きぐなり,その引張方向に隣接するコーティング層もはく離距離,はく離面積ともに大きくなることを明らかにし,これにより集団座屈・はく離プロセスが始めて明らかにされた.4.また,同様の集団座屈・はく離は他の金属と脆性コーティングの複合材料,例えばAl/Al2O3線材でも実際に観察され,今回得られた集団座屈・はく離プロセスは同種の脆性コーティング材料に広く適用可能と期待される. コーティング超伝導材料については,上記GA鋼板と同様にコーティング層が多重破断した後,数%負荷ひずみで,試料幅方向への圧縮破壊により界面はく離が生じることが実験的に明らかになった.上記解析手法を伝授した研究室後輩が解析を行っており,卒業後もアドバイスを続けていく所存である.
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