シトクロムcの作用機構の解明と新規燃料電池への応用
Project/Area Number |
06J03822
|
Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Chemistry related to living body
|
Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
高山 真一 University of Tsukuba, 大学院・数理物質科学研究科, 特別研究員(DC2)
|
Project Period (FY) |
2006 – 2007
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2007)
|
Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 2007: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
|
Keywords | シトクロムc / 酸化還元電位 / 電子伝達反応 / マーカス理論 / 再配置エネルギー / ヘムタンパク質 / 青色銅タンパク質 / エネルギー代謝 / 代謝 |
Research Abstract |
電子伝達タンパク質であるシトクロムcの酸化還元電位(E_m)を調節する分子機構を解明するため、類似した構造を持ちながらE_mの異なる2種類のシトクロムc、緑膿菌Pseudomonas aeruginosaシトクロムc_<551>(PA)と好熱性水素細菌Hydrogenobacter thermophilusシトクロc_<552>(HT)の比較研究を行った。高圧NMRを用いた解析から、これらのタンパク質で、酸化還元中心であるヘム近傍のループの運動性が異なっており、その違いが特に低温でのE_mの違いに重要であることが示された。PAとHTでは、ループの水素結合ネットワークの違いにより、その運動性が変化していると考えられた。 また、PAにHTを手本とした変異を導入することによって調製された、E_mの異なる一連のPA変異体から青色銅タンパク質であるプラストシアニン(PC)、ラスチシアニン(RC)への電子移動反応速度をマーカスの式に基づいて解析することにより、反応の再配置エネルギーを380±50 meVと求めることができた。マーカスの式による解析では、各複合体においてタンパク質の構造や機能が変化していないことが必須であるが、PAとRC共存下でNMR、CVによる解析を行った結果、複合体においてもPA、RCの構造やE_mは変化していないことが示唆され、解析の妥当性が支持された。 このように、本研究では、シトクロムcのE_mを調節する分子機構を解明する、E_mの違いが電子移動反応速度に及ぼす影響を明らかにする等、シトクロムcの作用機構について重要な知見を得た。
|
Report
(2 results)
Research Products
(11 results)