評判システムが協力行動に与える影響の分析と評判システムの起源の考察
Project/Area Number |
06J03845
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Social systems engineering/Safety system
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
鈴木 真介 University of Tsukuba, 大学院・システム情報工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2006 – 2007
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2007)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 2007: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | ゲーム理論 / 協力の進化 / 評判 / 神経経済学 / fMRI実験 / カオス / 実験経済学 / 進化ゲーム理論 / 経済学 / 数理生物学 / 進化 / 協力行動 |
Research Abstract |
評判システムは協力行動の進化に重要な役割を果たすと考えられている。評判を通じて、協力者と裏切り者を見分け、協力者だけに協力で報いることが可能になるからである。本研究では、「同時に3人以上が相互作用する」ときに、このメカニズムが機能するのか(しないのか)について進化ゲーム理論モデルを用いて検証した。また、「実際の人間が本当に、協力者だけに協力で報いるという行動をとるのか?」、そして「その背後にある脳情報処理はどのようなものなのか?」についてfMRI(核磁気共鳴イメージング装置)を用いて実験的に検証した。 1、進化ゲーム理論を用いた理論的研究の結果、以下のことが明らかになった。なお、本年度は以下の結果の厳密な解析、論文執筆を中心に行った。(1)「協力者には良い評判を付け、裏切り者には悪い評判を付ける」という単純な評判基準の下では、多人数の個体が相互作用に参加するケースにおける協力状態は安定的に保たれるだけではなく、カオス、周期的振動など様々な形態で保たれ得る。(2)上記の評判基準の下では、三人以上が相互作用するとき協力状態は安定的に保たれる(進化ダイナミクスの漸近安定な均衡として実現する)。一方、相互作用が二者間で行われるときは、上記の評判基準の下では協力状態は安定的に保たれない。(3)相互作用する人数が増加すると、協力行動の進化は困難になる。 2、一方、fMRIを用いた被験者実験の結果、以下のことが分かった。(1)実際の人間は、「協力者(評判の良い人)には協力し、裏切り者(評判の悪い人)には裏切る」傾向を持つ。(2)また、特に裏切り者(評判の悪い人)に出会った際に脳のDLPFC(前頭葉外背側部)と呼ばれる部位が活動し、その結果、裏切り者には裏切りで報いる。
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Report
(2 results)
Research Products
(13 results)