Project/Area Number |
06J03880
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Breeding science
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
吉岡 洋輔 筑波大学, 大学院生命環境科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2006 – 2007
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2006)
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Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 画像解析 / 主成分分析 / 器官形態 / 楕円フーリエ法 / 多変量解析 / デジタル画像 |
Research Abstract |
花器形質などの作物の外観形質の遺伝性や多様化機構の解明を目的として、これまで定性的な評価がなされてきた作物器官の種々の外観形質を、デジタル画像から得られる多変量データの統計解析により定量的に評価した。デジタル画像からのデータの抽出にはコンピュータ言語Javaを用いて新たに作成したプログラムを用い、多変量データの解析には主に統計言語Rを用いた。トルコギキョウでは、花を側面から撮影し、花の形態を楕円フーリエ法および主成分分析により定量的に評価した。トルコギキョウの花冠形態の主要素である花の長幅比や花弁の曲がり具合などの形態的特徴は、遺伝子型の効果が大きな形質であることが明らかになった。ナタネでは、紫外線光下で撮影した花の画像のヒストグラム解析により、人間の目には黄色に見えるナタネの花は花弁の紫外線反射に大きな変異をもつことが明らかになった。また、コンピュータグラフィクスを利用した行動生態学的実験により、主要な花粉媒介昆虫である蜂が、実際のアブラナの花にみられる模様や形の変異を見分ける能力をもつことが明らかになった。さらにイネの不完全米について、デジタル画像から得られた色彩情報の多変量解析により、これまで人間の目では捉えることができなかった微細な変異を含めて、特徴量別に定量的な評価が可能になり、得られた評価値に基づいて、玄米の外観品質の精度の高い遺伝学的解析や、他の形質との相関分析などができるようになった。外観形質の定量的評価が可能になったことにより、今後、外観形質の形成に関わる遺伝子の同定や、優れた外観形質を安定的に形成する系統育成や最適な栽培・管理手法の構築が可能になると考えられる。
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