自分らしくある感覚(本来感)についての心理学的研究
Project/Area Number |
06J03908
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Clinical psychology
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
伊藤 正哉 University of Tsukuba, 大学院・人間総合科学研究, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2006 – 2007
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2007)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 2007: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 本来性 / 本来感 / 比較文化 / プロセス研究 / 共感的自己なだめ / 自己 / 自分らし / 自分らしさ / 臨床心理学 / 自尊感情 / 健康心理学 / 精神的健康 |
Research Abstract |
ジョージア大学のマイケル・カーニス教授とともに構想を練ってきた,自分らしさ(本来性)についての比較文化的研究について,日本において実質的なデータ収集を行った。この研究によって明らかとなった点は,米国で作成された本来性尺度が日本においても使用可能であり,十分な信頼性と妥当性を有していたということである。尺度の妥当性については,申請者が独自に作成した日本発の本来感尺度との関係を見ても理論に適った結果が得られていた。さらに,米国の結果と同様,日本人大学生においても本来性は精神的健康と密接な関係にあることが示された。自分らしさについてのこうした比較文化的研究は世界的に見ても初の試みであり,自分らしさの普遍性と文化特異性の解明についての大きな一歩となったと思われる。 また,約4ケ月間,カナダのヨーク大学心理療法研究センターに滞在し,自分らしさの感覚(本来感)を促進させる心理臨床的介入法を検討した。これは,実際に行われた心理療法の記録を用いて研究するプロセス研究の見地から行った。これまでの研究によって,本来感は効率良い感情処理によって促進されうる可能性が示唆されてきたが,当該センターに貯蔵されている記録を参照することで,感情処理と本来感に深く影響すると思われる要因をひとつ同定することができた。それは,共感的自己なだめ(Empathetic self-soothing)であり,自身の感情を思いやりを持って受け容れられることを意味する。心理療法プロセス研究は日本ではほぼ皆無であり,そうした手法の紹介という意味でも意義のある研究であると思われる。
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Report
(2 results)
Research Products
(15 results)