Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 2007: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Research Abstract |
本年度は地球シミュレーター上で数値積分された海洋大循環モデルOFESの出力結果と,衛星海面高度計データーを用いた海表面高度の海盆スケールの変動の解析と,衛星海面高度計データーを用いた海洋中の中規模渦などの小規模な空間スケールの変動の解析を行った.中規模渦は海洋中の熱輸送,運動量輸送,物質輸送等について重要な役割を担っている.これら中規模渦の挙動について明らかにするために,海表面高度偏差データーから中規模渦の移動ベクトルを計算するアルゴリズムを提案し,この手法を用いて全球における中規模渦の移動ベクトルの格子化データーを作成した.この格子化データーを用いて中規模渦の移動速度の変動について解析を行い,変動の振幅は黒潮続流域等の西岸境界流域付近で大きいことを明らかにした.さらに中規模渦の移動速度の変動と,空間スケールの大きい背景流の変動との関係について解析を行い,両者に強い関係があることを明らかにした.この結果は背景流の変動が中規模渦の移動距離や移動経路に影響を与えることを示唆する.実際に黒潮続流域における中規模渦の挙動の解析から,黒潮続流下流域の流速が早い時期と遅い時期では,中規模渦の移動距離,移動経路,存在期間が大きく異なるということを明らかにした.また,OFESの出力結果と衛星高度計データーを用いた南太平洋の海盆スケールの海表面高度変動については国際学術雑誌であるJournal of Physical Oceanographyへと投稿し受理されている.
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