ダイズシスト線虫孵化促進物質グリシノエクレピンAの不斉全合成研究
Project/Area Number |
06J04421
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Organic chemistry
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
椎名 康裕 Hokkaido University, 大学院・理学院, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2006 – 2008
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2008)
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Budget Amount *help |
¥2,800,000 (Direct Cost: ¥2,800,000)
Fiscal Year 2008: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2007: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | シスト線虫 / 孵化促進物質 / テルペノイド / 全合成 / 不斉合成 / グリシノエクレピンA / 鈴木カップリング / C12位水酸基の立体反転 / グリシノエクレピンB / 不斉NHK反応 / 架橋構造 / 橋頭位アニオン / ジメチルヒドラゾン / A環クプラート |
Research Abstract |
前年度までに、グリシノエクレピンAの不斉全合成を達成していたが、最終工程でのカルボン酸への変換が低収率であるという問題が残されていた。そこでまず、エステルの塩基性条件下での加水分解を見直し、ヨウ化リチウムによる求核的脱保護法を適用した結果、分解反応が抑制されて収率が2倍以上に向上することを見出した。また、グリシノエクレピンBに関しても、鍵反応である不斉NHK反応を再検討し、岸-難波らにより開発された新規不斉配位子を用いることで、ジアステレオ選択性を改善することができた。以上で全ての問題点を解決し、グリシノエクレピンAについては文献既知物質から24工程11%(収量33mg)、グリシノエクレピンBビスp-ブロモフェナシルエステルについては25工程9%(収量23mg)と、極めて効率的な不斉全合成を完成することができた。 次に、グリシノエクレピンの全合成研究を通して開発した反応を、ジャガイモシスト線虫孵化促進物質であるソラノエクレピンAの全合成に応用することとした。すなわち、オキサビシクロ[2.2.1]ヘキサン誘導体の"橋頭位アニオン"を用いて、ソラノエクレピンの左側部分を構成する6-7-6縮環系を構築する計画である。ソラノエクレピンはグリシノエクレピンと異なり、オキサビシクロ[2.2.1]ヘキサン骨格上に酸素官能基を有するため、新たにその不斉合成法を開発する必要がある。酵素によるラセミ体の光学分割を含めた詳細な検討の結果、山本尚らにより報告された不斉ニトロソアルドール反応を採用することで、光学的にほぼ純粋な目的物を得ることができた。さらに、このものから調製した橋頭位アニオンをシクロヘキサンカルバルデヒド誘導体に付加させた後、数工程の変換反応を経て6-7-6縮環系の構築に成功した。
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Report
(3 results)
Research Products
(4 results)