Budget Amount *help |
¥2,800,000 (Direct Cost: ¥2,800,000)
Fiscal Year 2008: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2007: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
|
Research Abstract |
情報科学の発展によって人間が創り出すデータ量は爆発的に増え続けているため,追加的に学習可能なオンライン学習手法の需要が高まっている.特に,スパムフィルタリング問題などの「学習対象の統計的な性質が時間と共に変化する環境」に適応可能なオンライン学習システムの実現は,高度情報化社会のさらなる発展のために必要不可欠である.研究代表者は,いかなる性質の変化にも素早く対応できるオンライン学習システムの実現を目的に研究を実施し,本年度の計画では「現在の状況認識」と「次に出現する学習対象の予測」の実現を掲げこれを達成した.さらに,「変化検出のさらなる高速化」にも取り組み,最終的にはこれまでの研究成果を統合したLDUP(Learning,Detecting Understanding,Predicting)システムを提案した.具体的にはまず,過去に作成した分類器と現在学習中の分類器の分類履歴を用いて階層型クラスタリングを行って現在の状況を認識し,併せて学習対象の変化順序・類似性・階層性を獲得する手法を提案した.次に,クラスタリング結果を隠れマルコフモデルを用いて解析して次に現れる学習対象を予測する手法を提案した.さらに,ベルヌーイEWMA管理図を用いて緩やか/突然の変化の両方を高速に検出可能な方法を提案した.また,周期的な変化が発生する環境下での人の変化検出に関する行動調査を行って得た知見に基づき,分類の確信度を利用して高速な変化検出を行う手法を提案した.これらの成果と前年度までの成果を統合したLDUPシステムは,国際会議IJCNNにて高い評価を受けて採択された.また,スパムフィルタリングへの応用成果を纏めた論文が電子情報通信学会論文誌に採録された.本研究課題の成果は,様々な性質の変化に素早く対応するための技術の発展に大きく貢献すると考える.
|