「抱き」を介した情報収集の技法化-乳児保育と育児支援のための教育・測定ツール作成
Project/Area Number |
06J04749
|
Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Educational psychology
|
Research Institution | Waseda University (2007-2008) National Center of Neurology and Psychiatry (2006) |
Principal Investigator |
西條 剛史 (2007-2008) Waseda University, 国際教養学術院, 特別研究員(PD)
西條 剛央 (2006) 国立精神・神経センター, 精神保健研究所, 特別研究員(PD)
|
Project Period (FY) |
2006 – 2008
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2008)
|
Budget Amount *help |
¥3,400,000 (Direct Cost: ¥3,400,000)
Fiscal Year 2008: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2007: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
|
Keywords | 発達心理学 / 抱き / 乳児保育 / 抱きやすさ |
Research Abstract |
「抱き」を介した情報収集の技法化に向けて、特に抱きを介した情緒面の情報収集の側面を検討するためインタビューを中心とした探索的な研究を進めてきた。その結果、抱っこしながら座った途端に泣き出す、抱っこしながら誰かと話した途端に泣き出すということがある、という仮説が得られたしたがって、それに基づきつつ、抱きに関する基本的な項目を含む質問紙を作成した。質問はすべて回答する直前の1週間に限定するものとして質問した。生後1ヶ月から13ヶ月の子どもをもつ母親に調査を実施し、295名の有効回答が得られた。それによって得られたデータから「座った途端に泣き出す」「他人と話した途端に泣き出す」といったことがどの程度みられるものなのかに焦点化しつつ、また発達的にどのような様相がみられるのか検討することとした。 その結果、「抱っこしている人が座った途端に子どもが泣き出す」という現象は、首がすわっていない時期80%以上にみられ、それは首すわり段階、座位段階と増加していき、その後緩やかに減少するもののやはり80%程度みられることがわかる。また「抱っこしている人が他人と話した途端に子どもが泣き出す」という現象は、「座った途端に泣き出す」ほどは多くはないものの、実に3割程度みられることがわかった。なお、「座った途端に泣き出す」と「他人と話した途端に泣き出す」の相関係数は0.221であり、他の変数との主な相関はみられなかった。 こうした現象が実証的に明らかにされた点は、抱っこと子ども情動に関する基礎研究として意義のある知見となると考えられる。またこの結果は、子どもはその情動によって抱き手をコントロールしようとしており、抱き手である母親は、その情動の変化(情報)を感じ取っていることを示唆しており、このことは、乳児保育、育児支援に有効なツールを作成する際の有力な基礎的知見となりうるといえよう。
|
Report
(3 results)
Research Products
(3 results)