アレロパシーの生態学的解析とその効果を組み込んだ藻場生態系の富栄養化抑制機能評価
Project/Area Number |
06J05092
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Civil and environmental engineering
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
武田 文彦 Tohoku University, 大学院・工学研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2006 – 2007
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2007)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 2007: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | アカモク / Skeletonema costatum / アレロパシー / バイオアッセイ / 増殖抑制 / 増殖制御 |
Research Abstract |
1,海藻アカモクのアレロパシー物質の分析 海藻アカモクの珪藻Skeletonema costatumに対するアレロパシー効果はアカモクが放出するアレロパシー物質により生じる.しかし,アカモクのアレロパシー物質は同定されていない.アレロパシー物質を同定することにより,生態系モデルへのアレロパシー効果のモデル化のみならず,増殖抑制メカニズムや種特異性(種により増殖抑制効果が異なる)の解明に役立つと考えられる.そこでアカモク抽出物の分画物について評価した結果,アカモクのアレロパシー物質は分子量9,000〜15,000Da程度の水溶性の物質である可能性が高いことが示された.本成果は同定への大きな足がかりとなるものであり,今後はNMR分析等により同定を行う予定である. 2,アレロパシーを考慮した富栄養化抑制に関するモデル評価 1年目に構築したアレロパシー物質生産性モデル及び微細藻類に対するアレロパシー効果モデルよりアカモク培養実験・S.costatumによるバイオアッセイをシミュレーションした結果,実験値とシミュレーション値はほぼ一致した.そのモデルにより,仮想の湾をワンボックスモデルとしてアカモクの栄養塩吸収とアレロパシー効果が定常状態でのS.costatumの細胞濃度に及ぼす影響を評価した.結果として栄養塩吸収はほとんど影響を与えないが,アレロパシー効果が作用することによって細胞濃度が低下することが明らかになった.藻場内側海水で抑制効果が見られたという以前の本研究成果と同様に,実海域においてアカモクのアレロパシーによりS.costatumの増殖を抑制できる可能性がモデルからも示唆され,藻場機能の活用による富栄養化抑制の可能性を示すことができた.
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Report
(2 results)
Research Products
(2 results)