Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Research Abstract |
種々生物の全遺伝子機能解明を目的とした遺伝子ライブラリー評価マイクロデバイスの開発を行った. 単一微生物の分離・アレイ化システム,ライブラリー遺伝子導入システム,および電気化学的遺伝子機能評価システムを集積化した電気化学微小流路デバイスを構築した.流路チャネルは,細胞輸送用の直線状メインチャネル,およびその側面に作製した電気化学計測部位である微小チャンバーアレイから構成されている.チャネル内のマイクロ電極を用いた電気泳動により,単一微生物の各チャンバーへの分離,アレイ化を達成した.また,チャンバー内にあらかじめ固定化したプラスミドDNAを単一微生物へ導入し,遺伝子組換え微生物クローンアレイの構築を達成した.評価対象となるライブラリー遺伝子を個々のチャンバーに固定化することで,1チップ上でのライブラリー遺伝子導入細胞アレイを,一括操作で,簡便に構築可能である. チャンバー内のマイクロ電極を用い,数細胞の酵母のβ-galactosidase活性計測を実現した.β-galactosidaseは,細胞内での種々遺伝子機能評価におけるレポーターとして機能し,遺伝子の転写,翻訳レベルでの制御,翻訳後のタンパク質の折り畳み状態,タンパク質間相互作用などを評価可能とする.単一微生物の有するライブラリー遺伝子機能を高感度に計測することで,培養を必要としない迅速な機能評価が期待できる.また計測後において,電気泳動によるチャンバーからの目的微生物の回収を達成し,遺伝子配列決定や,遺伝子産物であるタンパク質の三次元構造評価など,本デバイスでは不可能な分子生物学的分析との併用を可能とした.つまり,本デバイスを用いた細胞レベルでの遺伝子機能評価,および分子生物学的手法による遺伝子,タンパク質レベルでの機能評価を行うことで,包括的なライブラリー遺伝子機能評価が達成される.
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