グリーンランドにおけるグラファイト層の総合研究:38億年前の生物活動と生息環境
Project/Area Number |
06J05251
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Petrology/Mineralogy/Science of ore deposit
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
大友 陽子 Tohoku University, 大学院・理学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2006 – 2008
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2008)
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Budget Amount *help |
¥2,800,000 (Direct Cost: ¥2,800,000)
Fiscal Year 2008: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2007: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | banded iron formation / black shale / Isua Spracrustal Belt / graphite / origin of life / Isua Spuracrustal Belt / TEM / Isua Spuracruatal Belt |
Research Abstract |
イスア地域の黒色頁岩及び縞状鉄鉱層に関する研究成果を以下に示す。 (1)黒色頁岩において、グラファイト含有量<8.8wt%、炭素安定同位体値が-20‰前後の露頭では主要鉱物が緑泥石なのに対し、グラファイト含有量<0.5wt%、炭素安定同位体値が〜-14‰の露頭では角閃石・石英である。これは、Fe(III)を含む緑泥石がグラファイトを酸化して、二酸化炭素と角閃石(Fe(II))に置き換わる反応が起こったと考えられる。このように、同一層であっても、局所的にグラファイトの酸化が起こっている証拠が見つかった。 (2)希土類元素含有量測定から、グラファイトの含有量が少ない露頭はLight-REEに欠乏したパターンを示すことが解った。これは、変成作用中に、REEを多量に含む鉱物が変成流体に溶して、岩石中から取り去られたものと考えられる。この結果はグラファイト含有量や炭素同位体値の結果とも調和的である。 以上より、地質学的・地球化学的・岩石鉱物学的データをすべて対比させることが出来た。このように詳細なデータはこれまでの研究にないものであり、本研究結果から最古のグラファイトの起源のみならず、変成中のグラファイト-流体の同位体交換や移動プロセスについても言及することが可能となった。 (3)縞状鉄鉱層中の角閃石の化学組成を測定した。北部の低変成地域ではマグネシウムに富むカミングトナイト、アンソフィライトのみが観察されるのに対し、南部の高変成地域は鉄に富むグリューネライトに卓越している。このことから、南部の縞状鉄鉱層堆積時にはシデライトが沈殿しており、変成作用の際の二次反応でグリューネライトが出来たと考えられる。 これにより、詳細な岩石鉱物学的記載から、これまで行われていなかった初生鉱物の推定が可能になった。
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Report
(3 results)
Research Products
(4 results)