磁気圏尾部電流層の構造とダイナミクス、及びそのサブストームとの関連性の研究
Project/Area Number |
06J05427
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Space and upper atmospheric physics
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
浅野 芳洋 Tokyo Institute of Technology, 大学院・理工学研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2006 – 2008
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2008)
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Budget Amount *help |
¥3,400,000 (Direct Cost: ¥3,400,000)
Fiscal Year 2008: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2007: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Keywords | 磁気圏 / 電子加速 / サブストーム / 温度非等方性 / プラズマ高速流 / エネルギースペクトル / ホイッスラー波 / 三次元構造 / 磁力線再結合 / 電流層構造 / プラズマ / 電子ダイナミクス / 衛星観測 / 電流層 |
Research Abstract |
磁気圏夜側近尾部磁力線再結合領域より地球側の、反平行磁場から地球双極子磁場への遷移構造領域に関して、サブストーム擾乱時の磁気圏尾部構造変化と電子加速に関する研究を行った。ClusterII衛星のデータを用い、サブヌトーム時の地球向き高速流や磁場のダイポラリゼーションの発生時における電子フラックスの特性変化と電磁場やイオンの特性との関連性の解析を行った。その結果、高速流発生時に磁場に垂直な成分のフラックスが磁場強度に合わせて増加し、1-2分以下の短時間で等方化が起こり、高速流の終了(対流電場の消滅)とともに高エネルギー粒子の磁場垂直成分から先にフラックスが減少して結果的に磁場に平行な成分が多くなる分布に変わってゆくということが明らかになった。これは顕著なベータトロン加速の性質であり、一方でFermi加速の効果は考えづらい。また同時に強い電場とホイッスラー波が観測されることが明らかになり、粒子波動相互作用によるピッチ角散乱が有効で電子分布が等方化するものと考えられると同時に、DC電場による局所的な非熱的加速の可能性を示している。 また、明瞭な分散関係の存在から、粒子のエネルギーに依存する磁場勾配及び磁場湾曲ドリフトによる経度方向の移動が存在すると考えられる。これは高速流先端における大きな磁場勾配と強い磁場による小さな湾曲ドリフトの効果から、磁場に垂直な成分が先にドリフトを起こし、結果的に磁場に平行な成分のフラックスがしばらく多く見られると見積もられる。スペクトルは高速流開始時のフラックス増加時が最もハードであり、低エネルギー成分の増加(熱化)に伴って徐々にソフトになる。その後は高エネルギー粒子のドリフト損失に伴い初期状態に比べてよりソフトな状態まで変化する。このようなスペクトル変化もまた、断熱ベータトロン加速だけでなく、非断熱過程による加速も有効であることを示している。 これらの結果を合わせると、尾部における磁力線再結合そのものによる加速が近尾部の高エネルギーフラックスの増加に繋がっている訳ではなく、磁力線再結合領域から吐き出された高速流に伴う磁場フラックス輸送が地球双極子磁場と衝突する領域で顕著な加速が起こり、これが当初の断熱ベータトロン加速からピッチ角散乱や非断熱過程を経て高エネルギー粒子の増加に繋がると考えることが出来るという流れが示された。
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Report
(3 results)
Research Products
(15 results)