Project/Area Number |
06J05451
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
川口 由紀 東京工業大学, 大学院理工学研究科, 助手
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Project Period (FY) |
2006
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2006)
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Budget Amount *help |
¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Keywords | ボース・アインシュタイン凝縮 / ダイポール相互作用 / スピノールBEC |
Research Abstract |
スヒン内部自由度をもつボース・アインシュタイン凝縮体(BEC)における双極子-双極子相互作用の効果について研究を行った。近年、異核二原子分子のBECが精力的に研究されており、強電場中で分極を起こすことにより双極子相互作用が支配的な凝縮体が実現できると期待されている。一方、原子気体BECの場合も、原子のもっ磁気双極子モーメントのために双極子相互作用が働く。しかし、この磁気双極子相互作用は非常に弱くこれまで無視されてきた。我々は、本研究でスピン自由度がある場合には原子気体BECの微弱なダイポール相互作用が多大な影響を及ぼすことを明らかにした。 まず、双極子相互作用を考慮してBECの基底状態を調べ、強磁性相互作用する原子ではスピンテクスチャが現れることを示した。スピンテクスチャの構造はテクスチャに伴う運動エネルギーと双極子相互作用の競合によってきまり、^<87>Rb原子のBECでは、BECのサイズを変えることで3種類のテクスチャが出現する。さらに注目すべき点は、BECがスピン-ゲージ対称性を持つために、スピンテクスチャに伴って超流動流が出現するという点である。つまり、双極子相互作用のために、静止した状態よりも自発的に回転した状態の方が安定になることがわかった。 また、磁場中でゼーマンエネルギーが支配的な場合においても双極子相互作用の効果が観測可能であることを示した。トラップされた有限系のBECでは、BEC自身のつくる双極子場が非一様であるために、原子のラーモア歳差運動も非一様となり、自発的にスピンテクスチャを形成する。スピンテクスチャを観測する実験技術はすでに確立しており、我々の予言によりスピノルダイポール効果の初の観測が期待される。
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