カルシニューリンとCaMKIIによる脊椎動物卵賦活反応の制御機構
Project/Area Number |
06J05678
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Developmental biology
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
藤井 朋子 (西山 朋子) Tokyo Institute of Technology, 大学院・生命理工学研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2006 – 2007
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2007)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 2007: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 卵賦活反応 / カルシニューリン / CaMKII / 減数分裂再開 / Erp1 / βTrCP / 精子星状体 / 卵表層収縮 |
Research Abstract |
多くの脊椎動物卵は受精すると卵内のCa^<2+>濃度が一過的に上昇し、それを引き金に、停止していた減数分裂の再開、表層粒の崩壊と卵表層の再構築、タンパク質合成やDNA複製の活性化など、賦活反応と呼ばれる様々な現象が引き起こされる。本研究ではツメガエル卵賦活反応の制御機構について、Ca^<2+>/CaM依存的に活性化されるCaMKIIとカルシニューリン(CaN)に着目して解析した。本研究におけるこれまでの解析から、CaNがCaMKIIと同様に、賦活時に一過的に活性化すること、またCaNの活性化が減数分裂の再開と、賦活に伴う卵表層の収縮に必須であることが明らかになっている。そこでCaNの下流で減数分裂が再開するメカニズムを明らかにするため、減数分裂停止に必須の分子であるErplの分解に着目した。CaNの特異的な阻害剤および阻害ペプチドでCaNの活性化を抑制したところ、Erplの分解が大きく阻害された。Erp1はCaNと同時に活性化するCaMKIIにより直接リン酸化され、これを引き金にしてユビキチンリガーゼであるSCF^<βTrCP>依存的に分解されることが判明しているが、CaNの活性化を阻害すると、CaMKII依存的なErp1のリン酸化は引き起こされるものの、その後の分解が抑制されることが分かった。またCaNの活性化を阻害した場合、Erp1の(βTrCPに対する結合量が有意に減少すること、in vitroにおいてはCaNがErplを直接標的とし得ることなどから、CaNの活性化がErplのリン酸化状態を変化させ、Erp1とβTrCPとの結合を促進している可能性が強く示唆される。これらの結果は、卵賦活時にキナーゼ(CaMKII)とホスファターゼ(CaN)が協働して減数分裂の再開を引き起こす、という新しい分子生物学的現象を解明するための糸口になると期待される。
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Report
(2 results)
Research Products
(5 results)