アシル-ロジウム錯体の反応挙動の解明及びそれを鍵中間体とする新規触媒反応の開拓
Project/Area Number |
06J05770
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Synthetic chemistry
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
柏原 泰吾 Tokyo Institute of Technology, 大学院・総合理工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2006 – 2008
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2008)
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Budget Amount *help |
¥2,800,000 (Direct Cost: ¥2,800,000)
Fiscal Year 2008: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2007: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | ロジウム / 付加反応 / 脱カルボニル化 / アシル錯体 / 1,2-ジケトン / パラジウム |
Research Abstract |
昨年度に引き続き、Rh錯体触媒を用いて酸塩化物とアルキンをCO加圧下で反応させ、CO挿入を伴う付加反応によって(Z)-4-クロロ-3-ブテン-1-アリール-1,2-ジオンを得る反応について検討した。電子的性質の異なる酸塩化物を用いてそれぞれ反応条件を検討したが、目的化合物の収率は向上せず最大でも20%程度であった。しかし、これらの結果は、アシルロジウム錯体に対するCO挿入によってα-ケトアシルロジウム錯体が生成していることを示唆している。実際、RhCl_2(CO)(PMe_3)_2(COC_6H_4Cl)を加圧COで処理すると、僅かながらα-ケトアシル錯体が生成することを見出した。その際、不均化によって生成したと考えられるベンジルやベンゾフェノン誘導体などの副生を確認している。 一方、クロロアセチルクロリドの末端アルキンへの付加反応について継続して検討中、トリクロロアセチルクロリドを用いるとCl-C(O)結合の付加反応ではなく、末端アルキンの塩素付加2量化反応が進行し、(Z,Z)-1,4-ジクロロ-1,3-ブタジエン誘導体が高選択的に得られる事を偶然見出した。トリブロモアセチルブロミドの反応でも対応するジブロモブタジエンが中程度の収率で得られた。Pd錯体触媒と銅塩を用いる不均一系での反応が既に知られているが、今回見出した手法は均一系触媒反応として始めての例である。反応機構について検討する為、RhCl(CO)L_2をCl_3CCOClで処理したところ、trans-RhCl_3(CO)L_2がほぼ定量的に得られ、本錯体とアルキンとの当量反応は目的化合物を与えた。従ってtrans-RhCl_3(CO)L_2が鍵中間体であると考えられるが、現時点では詳細なメカニズムについては不明である。
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Report
(3 results)
Research Products
(16 results)