「帝国」化時代における民主主義の変容をめぐって〜欧州の思想的配置から〜
Project/Area Number |
06J05866
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Politics
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Research Institution | Hosei University |
Principal Investigator |
山崎 望 法政大学, 法学部, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2006
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2006)
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Budget Amount *help |
¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Keywords | グローバル化 / 熟議民主主義 / ラディカルデモクラシー / 公共圏 / 帝国 / 市民社会 / 境界線 / テロ |
Research Abstract |
本年は「帝国」化の諸相を把握する理論構築のため、特に政治共同体の変容に焦点をあわせた。それは誰を政治共同体の構成員にどのように包摂し、誰を排除するのか、という「境界線の政治」の観点から各レベルにおける「帝国」化の諸相を把握する試みである。 第一に近年のナショナリズム論のサーベイを行った。ナショナリズム論の系譜の中でも、特にポストコロニアル究について検討し、国民国家の構成原理が孕む矛盾、及びその拡大について研究を進めた。 他方で新自由主義の席捲に伴う福祉国家の再編が国民という単位に与える影響については、日本における構造的失業や不安定雇用の問題、「フリーター」「ニート」問題の先行研究を整理し、格差社会論・リスク社会論の検討を行った。 第二にリージョナル・レベルでの政体論としてEU研究に焦点をあてた。EUという「前例なき政体」の内部から締め出される人々、包摂される人々の事例について研究を進めた。具体的にはルーマニアにおける性的少数派の権利問題について検討し、EU拡大の過程においてその政策形成過程から排除される人々が、同性愛嫌悪とナショナリズムに包摂されている事を明らかにした。 第三にグローバル・レベルでの政体論として、いかなる「グローバルな政体」の在り方が考えられているか、について国際政治学の議論を中心に整理した。ネグリ&ハートの『帝国』及び『マルチチュード』とそれに対する批判的研究を概観すると同時に、教育学関係者から教育学と政治学の架橋可能性について示唆を得た。 また研究者間のネットワークの形成を通じて、情報交換のレベルのみならず学際的・組織横断型の議論・対話を進めた。ネットワークの形成により、筆者の国際政治学会における報告を含め、その成果を様々な学会や研究会における発表へと継続し、かつ学会における報告・討論内容の充実を達成することができた。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)