Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 2007: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Research Abstract |
意識的な記憶判断の基盤となる自動処理メカニズムを調べるため,本研究では,経過時間判断における刺激呈示頻度の効果(反復効果)を検討した.再認判断では,反復呈示によって再認ヒット率が上がるが,経過時間判断においては,反復呈示によって,より経過時間が短く(最近に)判断される(活性化仮説)のか,あるいは,より正確に判断される(正確さ仮説)のかを検討する実験を行った.さらに,呈示頻度についての判断(頻度判断)の正確さと経過時間判断の正確さの相関を調べる実験も行った.被験者は,パソコン画面上に1回あるいは複数回呈示される写真刺激を学習し,テストでは経過時間判断と頻度判断を行った.その結果,経過時間判断において,呈示回数が多い方がより最近に感じられるが,正確さは高まらないという活性化仮説が支持された.また,頻度判断が正確である人ほど経過時間判断も正確であることが示され,時間的に分離された同一項目の反復呈示の頻度を同定する想起プロセスと,各項目呈示からの経過時間の判断に関わる想起プロセスとは,少なくとも一部は基盤が共通している可能性が示唆された.また,高齢者は若年者よりも,経過時間判断や頻度判断の正確性が低いが,若年者と同様の反復効果がみられ,反復効果が自動的処理の反映であることが示唆された.これらの結果から,経過時間判断における主観的感覚(recency感)も,再認判断における主観的感覚(familiarity感)と同様に,呈示頻度の違いなどによる記憶強度に基づく自動的な処理が基盤となっていると考えられる.
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