諸礼節・儀礼等の相互関係表現行為の分析を通じた室町期公武統治機構構造の解明
Project/Area Number |
06J06000
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Japanese history
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
桃崎 有一郎 Keio University, 文学研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2006 – 2007
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2007)
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Budget Amount *help |
¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2007: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 2006: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
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Keywords | 室町殿 / 室町時代 / 公武関係 / 儀礼 / 中世洛中 / 空間秩序 / 礼節 / 索引 / 拝賀 / 公武統治機構 / 足利義満 / 公家政権 / コスト / 中世朝廷経済 |
Research Abstract |
研究課題に基づき、前年度に引き続いて中世朝廷における重要な礼節行為の一つ「拝賀」について基礎的/発展的考察を行い研究論文に発表した。本年度は後掲雑誌論文の1番目の論考にて、「拝賀」儀礼の成立・沿革と儀礼的性質の変遷について古代まで遡って調査・考察を行い、中世国家における「拝賀」儀礼を朝幕関係分析の材料とする際に前提となる基礎的事実を明らかにした。必ずしも実証されていない儀礼の意義を前提として議論がなされてきた中世公武統治機構構造の研究は、かかる基礎的研究の進捗によって新たな実証的研究の進展が見込まれる。 また後掲雑誌論文の2番目の論考で、本課題採択以前より継続してきた中世洛中(京都)空間秩序論をも援用し、室町時代に天皇という身分秩序上の主軸に対して上皇や室町殿(室町幕府の首長≒将軍またはその後見者たる前将軍)が獲得した身分的位置付けとその背後の論理・手段を考察した。そして<室町期公武社会においても、このような微妙な問題をはらむ社会的地位・身分秩序は、不可避の場合を除き、敢えて明示されなかった>という結論を想定するとともに、室町殿権威の演出が朝廷で自律的に行われるに至った時期には応仁の乱を目前にして室町殿権力が衰退に向かい始めていた時間差を確認して、室町殿権力の根本的性質を考察した。 更に上記研究の過程で、室町時代の公武統治機構構造の解明に必要な史料の共有とツール群(索引等)の作成の遅れを痛感し、前年度に引き続き必要に応じてその作業に取り組んだ。後掲論文の3番目のものは、室町幕府の吏僚の日記に現れる人名を網羅的に抽出して付加的情報とともに複数のアプローチから検索可能とし、幕府関係者の略歴一覧や実名考証(前近代日本は実名の不明な人物が圧倒的に多い)の便宜に供する目的で作成した人名索引である。
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Report
(2 results)
Research Products
(7 results)