巨大有機分子ナノクラスターにおける構造相転移現象の解明
Project/Area Number |
06J06012
|
Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Physical chemistry
|
Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
安藤 直人 Keio University, 大学院・理工学研究科, 特別研究員(DC2)
|
Project Period (FY) |
2006 – 2007
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2007)
|
Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 2007: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
|
Keywords | クラスター / 負イオン / 光電子分光 / 芳香族分子 / 電子状態 / 塩基 / 時間分解 / 負イオン光電子分光 / 幾何構造 / アズレン / アントラセン / ホールバーニング |
Research Abstract |
本年度は、以下の研究を推し進めた。 1.時間分解光電子分光法の導入 これまでアントラセンをはじめとするオリゴアセンクラスター負イオンの光電子測定によって観測された結晶化したクラスターのより詳細な知見を得るため、フェムト秒レーザーを用いた時間分解光電子分光を導入した。ポンプ光としてTi: sapphireレーザーの基本波(800nm)を用いて励起状態に遷移させ、プローブ光として第二高調波(400nm)を用いて脱離した光電子を磁気ボトル型電子エネルギー分析部で測定した。水クラスター負イオンを用いて実験を行なった結果、本研究で導入した装置において測定が可能であることが確認された。今後この手法をオリゴアセン巨大クラスター負イオンに適用することにより、構造相転移現象の解明へとつながるものと期待される。 2.核酸塩基クラスター負イオンの光電子測定 結晶中において多重水素結合を介したダイマーユニットを形成するDNAやRNAの塩基に着目し、それらのクラスターにおいて水素結合を介した電子の非局在化が起こるか否かを調べた。特に本研究では、塩基のメチル誘導体である1-メチルウラシル(MU)、1,3-ジメチルウラシル(DMU)を対象として、そのクラスター負イオンを生成し、光電子スペクトルおよび密度汎関数(DFT)計算を行い、幾何構造及び電子状態を検討した。ここで、MUは糖との結合部分をメチル基で置換したものであり、DMUは水素(結合)供与部位をメチル基によって完全に排除されている。その結果、MUクラスター負イオンにおいて、モノマーコア負イオンから水素結合を介して余剰電子が非局在化したダイマーコア負イオンへのコアスイッチング現象を見出した。
|
Report
(2 results)
Research Products
(7 results)