選択MOVPE法によるシリコン基板上への窒化物半導体ナノヘテロ構造の作製
Project/Area Number |
06J06535
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Applied materials science/Crystal engineering
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
成田 哲生 名古屋大学, 大学院工学研究科, 特別研究員-DC2
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Project Period (FY) |
2006 – 2007
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2006)
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Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 選択MOVPE成長 / GaN(窒化ガリウム) / ファセット構造 / 気相の拡散長 / 表面拡散 / リッジ成長 |
Research Abstract |
シリコン基板上の選択MOVPE成長法における成長時の基礎物理を明らかにするため、減圧下で選択成長したGaN(窒化ガリウム)ストライプ上での原料の拡散機構を明らかにすることを目的とし、本年度の研究を遂行してきた。具体的には、GaNファセット上にAlGaN薄膜を成長し、成長圧力、成長雰囲気が膜厚、組成の分布に及ぼす影響について検討を行った。また気相の拡散場の数値解析を行い、実験、数値解析の両面から気相の拡散場の振る舞いを議論した。 AlGaN層の膜厚分布を測定した結果、これまでに大気圧MOVPE法において観測されたリッジ成長に加え、500Torrで作製した試料においては(1-101)面の底部でリッジ成長が起こることを新たに見いだした。また、リッジ成長は成長圧力の低下とともに弱められ、100Torrにおいては均一な膜厚のAlGaN薄膜が形成された。 気相場の数値解析の結果は、気相拡散に伴う不均一な原料供給が膜厚の分布を引き起こす様子が明らかにした。また数値解析結果より、成長圧力の低下に伴い気相中のIII族原料の拡散係数が増加し、気相中の拡散長が増加して不均一な原料供給が抑制されることが分かった。解析結果は、成長圧力の低下に伴うリッジ成長抑制をよく説明した。 成長圧力の変化に伴う気相場の変化にも関わらず、組成解析から得られた(0001)面上のGaの表面拡散長は0.7μm程度であり、成長圧力に依存しなかった。これは、得られた表面拡散長が気相中の化学プロセスに依存せず純粋に表面だけ決まる値であることを示唆した。また、(1-101)面上においては(0001)面よりやや短い0.46-0.62μmの表面拡散長が得られた。 このように本年度の研究においては、ファセット構造上へのAlGaN成長において均一膜厚の薄膜形成が可能であるという応用上有益な知見を得ることに成功し、その成長機構に関する基礎的な知見を実験・理論の両面から明らかにすることができた。
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Report
(1 results)
Research Products
(4 results)