シリコン基板上への窒化物半導体選択MOVPE成長と物性制御に関する研究
Project/Area Number |
06J06539
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Electronic materials/Electric materials
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
彦坂 年輝 Nagoya University, 大学院・工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2006 – 2007
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2007)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 2007: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 選択成長 / MOVPE / GaN / シリコン基板 / LED |
Research Abstract |
加工を施した(001)面のシリコン基板上へ選択成長を行うことで、半極性面である(1-101)面QGaN結晶の作製が可能である♂GaN(1-101)面は最表面が窒素原子であり、従来用いられている(0001)面がガリウム原子に覆われていることと対照的である。この最表面原子の違いは、不純物の取り込みや活性化率に違いを与えると予想される。実際、炭素を添加した場合には(1-101)面ではp型不純物として働くことがわかった。また、マグネシウムにおいても(1-101)面では取り込み効率が高く、高濃度に添加した際もキャリアの自己補償効果が小さく、高品質のp型結晶の作製が可能であることがわかった。 本年度はこれらの不純物ドーピング特性の知見を利用し、デバイス応用として青色発光ダイオード(LED)の試作を行った。まず、シリコン基板上にシリコンドーピングによりn型の結晶をデバイスサイズに選択成長させた。その後、発光層としてInGaN/GaN量子井戸構造を作製し、最後にp型層を炭素およびマグネシウムを用いて成長させた。作製した試料の電流-電圧特性を評価した結果、試料は良好な清流特性を示し、正バイアス時の立ち上がり電圧は+3〜4Vとサファイア基板上に作製したLEDの特性と同程度の特性が得られた。試料の発光強度は注入電流密度の増加とともに線形的に増加し、発光波長のわずかなブルーシフトが確認されたものの、発光スペクトルの半値幅は30meV程度と比較的良好な発光特性を示した。このブルーシフトについて詳細な検討を行った結果、(1-101)面上に作製したLEDは(0001)面上に作製したLEDに比べ小さいことがわかった。これは量子井戸層内に発生する内部電界の影響が小さいためであると示唆された。以上の結果から、(1-101)面においてはシリコンドーピングによるn型伝導性制御、炭素もしくはマグネシウムによるp型伝導性制御が可能であることを確認し、シリコン基板上に作製した微細構造をそのまま利用した高性能デバイスの実現の可能性を明らかにした。
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Report
(2 results)
Research Products
(6 results)