統計的アプローチによる神経可塑性の機能の解明に関する研究
Project/Area Number |
06J06772
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Bioinformatics/Life informatics
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
豊泉 太郎 The Institute of Physical and Chemical Research, 甘利研究ユニット, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2006 – 2008
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2007)
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Budget Amount *help |
¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
Fiscal Year 2007: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Keywords | シナプス可塑性 / 適応 / 恒常性 / 計算理論 / ベイズ推定 / 平均場近似 / 腹話術効果 / 知覚統合 / フィッシャー情報量 / 発火時刻 / 発火率 |
Research Abstract |
シナプスは神経細胞の活動電位を伝え、脳の情報処理を担っていると考えられている。シナプスの伝達効率は前後の神経細胞の活動に応じて可塑的に変化することがら、学習や記憶のメカニズムとして盛んに研究されている。本研究ではこの可塑性の機能について研究した結果、以下のことが明らかになった。(1)シナプスの可塑性は大まかに長期可塑性、短期可塑性と分類されることからも明らかなように、その変化の時間スケールも、分子的メカニズムも様々であり、中でも短期可塑性は、シナプス前後の細胞の種類に応じてもその変化の仕方が異なることが知られている。本研究では、興奮性・抑制性細胞間の多様なシナプス短期可塑性が神経細胞の発火率を恒常的に保つ役割を果たし得ることを明らかにするとともに、この恒常性が正常に機能するための生理的条件を導いた。(2)神経可塑性もしくは神経細胞の知覚刺激に対する適応が人間の行動に影響を与える例として、腹話術効果の研究を行なった。視聴覚刺激と同時に提示すると、視覚刺激により、音源の位置推定が影響をうけるという腹話術効果が知られている。本研究では、この腹話術効果が自然環境下で、視聴覚刺激を最適に統合して信号源の同一性を推定するための神経回路の適応現象として理解できることを明らかにした。また過去の知覚刺激に応じて、視聴覚系の座標基準がどのように変化することで、この腹話術効果を説明できるかを示した。
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Report
(2 results)
Research Products
(6 results)