顎関節関節腔形成機構の解明-顎関節と四肢の関節の異同に注目して-
Project/Area Number |
06J06867
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Morphological basic dentistry
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
鈴木 晶子 Niigata University, 大学院・医歯学総合研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2006 – 2007
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2007)
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Budget Amount *help |
¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
Fiscal Year 2007: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Keywords | 顎関節 / 関節腔形成 / CD44 / 血管新生 / マクロファージ / アポトーシス / 血管内皮細胞 |
Research Abstract |
顎関節では上下の関節腔の形成機構が異なることが示唆されているが,これに関与する細胞の特徴や変化については不明な点が多い.本研究ではラット顎関節関節腔形成機構を,上関節腔では細胞-細胞間または細胞外基質間の接着因子の変化に,下関節腔では血管内皮細胞とその周囲の細胞の微細構造に着目して免疫組織化学的および微細構造学的に検討した. 試料として胎生19-21,生後1-3日齢ラットを用いて凍結切片,パラフィン切片および樹脂包埋した超薄切片を作成した.マクロファージ系細胞のマーカーにED1抗体,血管内皮細胞のマーカーにRECA-1抗体,また細胞接着因子CD44の局在はOX50抗体を用いて,光顕および電顕にて検討した. 上関節腔形成部位では胎生19日前後の形成開始前に出現するCD44陽性細胞は腔の拡大とともに減少し,陽性細胞間には多数のED1陽性を示すマクロファージまたは単球が存在していた.この細胞減少過程では細胞内にアポトーシス小体を含むアポトーシスや壊死像はほとんど観察できず,細胞膜の断裂を伴う自己融解像様の変化が観察された.生後1日までにはこれらの細胞は消失し関節腔は未分化な滑膜細胞様細胞で裏打ちされていた.下関節腔形成部位では下顎頭表面に沿った扁平なRECA-1陽性血管内皮細胞の存在と,周囲の空胞を含む大型で類円形の明調な細胞が観察され,内皮細胞とともに基底膜様構造で囲まれていた.胎生21日以降,多数の血管侵入および下関節腔形成が開始するとこの大型の細胞は消失し,基底膜と周皮細胞を持つ多数の毛細血管の存在が認められたが,関節腔形成完了に伴い血管は消失した.以上より,CD44陽性細胞の出現と消失は上関節腔形成部位における細胞間の拡大に関与し,RECA-1陽性細胞に近接する大型細胞は下関節腔形成部位への血管新生に重要な役割を果たすことが示唆された.
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Report
(2 results)
Research Products
(5 results)