ヒアルロン酸を利用した転写促進機能を持つ生体適合性遺伝子デリバリーシステムの構築
Project/Area Number |
06J06981
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Nanomaterials/Nanobioscience
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Research Institution | Otsuma Women's University |
Principal Investigator |
伊藤 智子 Otsuma Women's University, 家政学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2006 – 2007
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2007)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 2007: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 遺伝子導入 / 転写 / ヒアルロン酸 / 両性イオン型高分子 / HMGタンパク / 遺伝子発現 |
Research Abstract |
ヒトへの臨床応用可能な、非ウィルス型遺伝子治療システムは、生体成分との副作用からの防御、上皮細胞の間隙を通ることのできるサイズ、標的細胞への取り込み、エンドソームからの脱出、核への移行、核内での効率よい転写等の問題を解決する必要がある。我々が開発したヒアルロン酸被覆三元複合体システムは、負の表面電荷や、カルボン酸の持つプロトンスポンジ効果、さらに結合緩和による転写活性化によって、これらの問題点を大きく改善した。さらにHMGタンパクを模倣して合成した両性イオン型のSpn-HAは、よりDNA複合体を弛緩し、高い非転写活性可能を持つことを報告した。 これらのポリアニオン、両イオン型ポリマーとDNA/ポリカチオンとの位置的関係を簡単なモデルを用いてモンテカルロ法によるエネルギー計算で評価したところ、ポリアニオンはDNAとポリカチオンの外側に存在し、両イオン型ポリマーはDNAとポリカチオンの間に入り込むことが示された。そのためSpn-HAはDNA複合体をより弛緩させたのだと示唆される。 このSpn-HAを添加したDNA複合体のゼータ電位は負に帯電し、マウスの腹腔に投与後、マウスの腹腔内で安定に分散するのが観察された。また、皮下に移植した腫瘍に局所投与したところ腫瘍細胞で非常に高い遺伝子発現を示した。 さらに、第三成分のポリマーを加えたDNA/ポリカチォン複合体は、凍結乾燥しても遺伝子活性を維持できること見出した。これは、複合体が弛緩し、ポリアニオン及び両イオン型ポリマーが保護コロイド的に働いたためと考えられる。この凍結乾燥体は一ケ月以上4℃で保存しても遺伝子発現効率は変わらなかった。また高希釈下で調製したDNAナノ粒子を、凍結乾燥した後少量の溶媒で再水和することで高濃度ナノ粒子分散液を得ることができた。これはマウスの尾静脈内に投与後、腫瘍細胞で非常に高い遺伝子発現を示した。
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Report
(2 results)
Research Products
(8 results)