イオン液体を溶媒に用いた高分子ゲルの創製とナノ構造導入による機能化
Project/Area Number |
06J07079
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Polymer/Textile materials
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
上木 岳士 Yokohama National University, 大学院・工学研究院, 特別研究員PD
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Project Period (FY) |
2006 – 2008
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2007)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 2007: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | イオン液体 / 刺激応答性高分子 / イオンゲル / 体積相転移 / 相転移 / 高分子電解質 / ブロックコポリマー / 動的光散乱 / 感温性高分子 / スマートゲル / 下限臨界溶液温度 / 上限臨界溶液温度 / 共重合 |
Research Abstract |
室温で液体状態の塩である「イオン液体(IL)」が注目を集めている。ILは熱的・(電気)化学的安定性、難揮発性などの特徴から様々な材料への応用が期待されている。本研究代表者はこれまでIL中で刺激に応じて溶解状態を変化させる高分子化合物に注目しIL中の高分子の溶存状態や相転移ダイナミクスに関する研究を展開してきた。本研究の最終目標はIL中における高分子の相転移や、それに基づく自己組織化現象等を利用し、高度で社会的にも有用な分子システムを構築することである。 ポリベンジルメタクリレート(PBnMA)のIL中でのLCST型相分離ダイナミクスを動的光散乱測定(DLS)から評価したところ本系のLCST型相分離が極めて鋭敏に起きていることが明らかになった。しかし化学構造上PBnMAと類似点が認められるスチレンとメタクリル酸メチルのランダム共重合体は同じLCST型相分離を示すものの、そのダイナミクスは緩慢であることがわかった。両者の相転移ダイナミクスの対照性は凝集セグメントのシークエンス分布の違いから議論された(The Journal of Physical Chemistry B,2007,111,4750.)。一方ILを溶媒に用いた高分子溶液(ゲル)に関する従来の研究と今後の展望、未解決の問題を"相溶系""相変化系"という切り口で網羅した総合論文をまとめ採録決定に至った(Macromolecules,2008,in press,)。ここでは液体に内在する複数の相互作用がその特異性を引き出す事例を挙げ、構造形成性液体(異常エントロピー液体)としての水とILの類似性を指摘した。 また多重な外部刺激に誘起されてIL中で溶存状態を大きく変えるランダムコポリマーを設計・評価し、これを一成分とするブロックコポリマーを合成した。熱や光に応じてIL中で自己組織化するブロックコポリマーは、ILの持つ、そのユニークな性質を保ちつつ可逆的にゲル化(固体薄膜化)させる潜在的可能性を秘めており基礎学術的にはもちろん材料化学的見地からも興味深いと考えられる。本研究成果は近くアメリカ物理学会にて発表予定である。
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Report
(2 results)
Research Products
(6 results)