ネオ・リベラル体制下における多文化主義の変容:現代オーストラリアの社会学的研究
Project/Area Number |
06J07519
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Sociology
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Research Institution | Tokyo University of Foreign Studies |
Principal Investigator |
塩原 良和 東京外国語大学, 外国語学部, 助教授
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Project Period (FY) |
2006
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2006)
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Budget Amount *help |
¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Keywords | オーストラリア / 多文化主義 / 新自由主義 |
Research Abstract |
本研究の目的は、ネオ・リベラリズムと呼ばれる経済・社会体制が台頭している現代世界において、多文化主義が直面している問題を実証調査と理論的考察によって明らかにし、それを乗り越える道を探ることにあった。 第1年度の目標は、研究の理論的全体像を確定するための先行研究の分析と、多文化主義政策の近年の変化を把握するためのオーストラリアでの現地調査であった。まず、昨年度上梓した拙著『ネオ・リベラリズムの時代の多文化主義』における考察を理論的に発展させ、ネオ・リベラリズムの影響を被った公定多文化主義言説の再編過程の理論的一般化を試みた。この成果については10月の国際政治学会での報告に反映された。また現地調査に関しては、8月上旬から9月上旬にかけて第1回のオーストラリア調査を実施し、キャンベラのオーストラリア国立大学、シドニーのシドニー大学を拠点として資料収集と聞き取り調査を行った。現地調査の焦点は以下のとおりであった。第一に、近年その厳格化が指摘されているオーストラリア連邦政府の難民・亡命申請者政策に関する基礎資料の収集とNGOへの聞き取りを行った。第二に、ネオリベラル政策の影響を受けて今年度から大幅に制度が変更された、連邦政府の非英語系移民定住支援政策の現状について、主に現場の福祉ワーカーから聞き取りを行った。第三に、シドニー西部郊外の非英語系移民集住地区カブラマタにおける麻薬取締り政策の厳格化の現状について、関係者から聞き取りを行った。 以上のように、研究を開始してわずか半年間であったのにもかかわらず、理論的考察、実証調査、および研究成果の公表において一定の成果を挙げることができた。東京外国語大学助教授への着任に伴い特別研究員PDを中途辞退することになったが、この半年間の成果を生かし、引き続きこれらの、研究テーマについての研究を進めていきたい。
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Report
(1 results)
Research Products
(4 results)