Project/Area Number |
06J07728
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Condensed matter physics 1
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Research Institution | Japan Aerospace Exploration Agency |
Principal Investigator |
竹井 洋 独立行政法人宇宙航空研究開発機構, 宇宙科学研究本部, 日本学術振興会特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2006
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2006)
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Budget Amount *help |
¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Keywords | 銀河間中高温物質 / WHIM / TES / X線マイクロカロリメータ / SQUID / 軟X線バックグラウンド / すざく / XIS |
Research Abstract |
すざく衛星のX線データを用いて、Warm-Hot Intergalactic Medium(WHIM)の観測的研究、銀河系内の高温ガスの分布に関する研究を行った。WHIMとは温度10^<6-7>K,密度10^<-6>-10^<-4>cm^<-3>の銀河間物質のことであり、近傍宇宙のバリオンの半数程度を占めると言われる。しかし、その存在はまだ観測的に明確になっておらず、有意な検出、あるいは存在量に対する制限が望まれている。本研究では特に密度の高いWHIMの存在が期待される銀河団周辺に注目し、WHIM中の電離した酸素からの輝線の検出を目指した。すざく衛星のCCD検出器XISを用いて銀河団A2218の周辺部を観測したところ、WHIMの放射を検出することはできなかったものの、酸素輝線強度に強い制限をつける事に成功した。得られた強度の上限値はこれまで欧米の人工衛星を用いて観測された強度の1/6程度であり、酸素輝線の観測にXISが非常に強いことを示した。また、太陽風の荷電粒子が地球近傍の中性粒子と電荷交換をすることで放出された輝線をとらえることに成功し、銀河系の電離酸素、電離ネオン等の放射強度の方向依存性の研究も行った。これらはすべて軟X線バックグラウンドとして寄与する成分であり、本研究は軟X線バックグラウンドの起源に対する制限を与えた。そして、太陽系から銀河間空間に至るまでの幅広いスケールで高温宇宙の構造に知見を与えた。 また、次世代分光器であるX線マイクロカロリメータの開発も行った。次世代衛星搭載の鍵となる信号多重化方式を実現するため、磁場加算によって多重化を行う8入力SQUID磁束計のノイズレベル、応答、クロストーク特性の評価を行い、この磁束計が実用レベルにあることを示した。また、デジタル信号処理系の開発も開始した。
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