Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 2007: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Research Abstract |
本年度は,手続的記憶の統合と定着における睡眠の機能について,睡眠中の脳波活動のである睡眠紡錘波の活動性について精神生理学的に分析した. 睡眠紡錘波を2種類(fast spindleとslow spindle)に分類し,slow spindleの活動性(出現数,出現密度,振幅値,持続時間)を,学習夜と非学習夜とで比較検討した.その結果,運動技能の課題成績の向上率とslow spindleとの間に有意な相関関係はみられなかった.一方ですでに昨年度明らかにしたように,fast spindleは終夜を通じて出現密度は高く,振幅値は大きく,持続時間は長く,新しい学習を行った後の睡眠中では行わなかった睡眠中と比較し,高振幅,長持続であった.このことから,2種類の睡眠紡錘波の中でもfast spindleの発生機構(視床-皮質経路)が睡眠中に進行する脳の可塑性に寄与していると考えられた.この成果は,日本睡眠学会で発表した後,睡眠科学の専門誌で最高位のインパクトファクターをもつJournal SLEEPに掲載された. さらに睡眠紡錘波を構成する波の電位振幅値を頭皮上25部位について求めた.その結果,視覚運動学習を行った学習夜では学習を行わなかった非学習夜と比較し,前頭部から頭頂部にかけての活動が高まっていた.条件間の差分を求めたところ左前頭部におけるfast spindleの活動が高まっていることが分かった.この成果は,国際学会(Worldsleep07)で発表し,現在原著論文として投稿している.
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