Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 2007: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Research Abstract |
(1)独自に設計した「Al蒸着源」の改良を繰り返し,難しいとされた安定的な蒸着に成功した。また,所属受け入れ先を今年度4月から変更し,真空部品を取り扱う道具が不足していたため,表面ナノ構造作成と解析を行えるように整備した. (2)Al/Si(111)系表面構造の蒸着温度・Al膜厚依存性をSTM観測により詳細に調べ,これまで確認されていない半単位格子ナノクラスター発見し,このナノ構造体がAl原子15個,Si原子6個から構成されることが判明した.さらには,このナノ構造体がAlナノクラスターからγ相へ変化する中間状態として存在し,これまで明瞭な報告例のないγ相の表面構造をも明らかにすることができた,これらの研究成果を雑誌論文(Physical Review B)にも投稿し,受理された. (3)Alナノクラスターの表面電子状態をSTM/STS観測によって,高い表面絶縁性を示し,極性の異なるSi(n・p型)表面上のAlナノクラスターが異なる表面電子状態を発見した,その理由が,探針誘導バンドベンディング効果を考慮した計算シミュレーションからキャリア濃度の変化と表面状態密度の減少が起因していることを明らかにした,これらの研究成果を雑誌論文(Physical Review B)に投稿予定である. (4)Alナノクラスター表面相上にCoを蒸着させることにより,さらにサイズが均一なCo金属クラスターの作成に成功した.この表面電子状態をSTM/STS観測したところ,Alナノクラスターより金属的な性質を示し,さらには特徴的なトンネルスペクトルを観測できた.また,このCoクラスターがAlナノクラスターを形成させずにSi基板に直接Coを蒸着させた場合に形成されるCoSi2クラスターとは異なり2×2表面相を示さない形成プロセスを確認し,STSスペクトルからも全く異なるスペクトルを検出した.このCoクラスターとCoSi2クラスターの構造的な違いを知るために,高エネルギー加速器研究機構(KEK)のフォトンファクトリービームライン18A(PFBL-18A)の高輝度放射光源を用いた内殻光電子スペクトルから両クラスターとSi基板間の界面構造が異なることを示唆するスペクトルを得ることができた.今後は,これらの内殻光電子スペクトル結果から得られたスペクトルを元に光電子回折実験を行い,Coクラスターの原子構造を明らかにして雑誌論文に投稿する予定である. (5)Coクラスターはこれまでの研究から低温40K以下で強磁性体を示すことが明らかになっていることから,この表面で強磁場中
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